2022年12月21日水曜日

ヨーロッパ「名前」あれこれ

http://blog.livedoor.jp/kenji47/archives/50272788.html
「世界の名前」(岩波書店時点編集部編)興味深い内容のエントリー、第四回。ヨーロッパ諸国の「名前」の話を集めてみた。

スウェーデンの姓は、「ソン」がつくものが多い。(一般的な姓の50%)多くの姓に共通の父称である。デンマークでは、父称は「セン」となる。童話作家・アンデルセンがその代表。しかし、ノルウェーでは、デンマーク語に対抗して、「ソン」。ノルウェー語は、デンマーク語に近いのだが、長く支配されてきた歴史もあって、今でも書き言葉は、ノルウェー語だけでなくデンマーク語も用いられる。父称のソンも古き北欧語の伝統、しかも古い英語・ドイツ語とも共通するかららしい。ちなみに、アイスランドも「ソン」である。だが、フィンランドは、ウラル語族なので違いが際立つ。フィンランドでは、「ネン」(nen)が父称のように思えるが、これは「小さい」を表す語で、姓の後ろにつけるつけるらしい。ジャンプ競技で有名なアホネン選手(最初に名前を聞いたときは驚いた。画像参照)のアホはグーグル翻訳では「(小さな)精算」という意味になるようだが…。ところで、フィンランドには自然(森・岩・白樺・湖・丘・波・光)などの名前が多い。

ジョージア(旧グルジア)では、父称(~の息子・娘)は「シヴィリ」。かのスターリンの姓は、ジュガシヴィリ。「ゼ」も息子を意味する。元ソ連外相のシュワルナゼ。国民のおよそ70%が「シヴィリ」か「ゼ」の語尾を持つらしい。

ルーマニアでは、誕生日以上に、名付け聖人の日(オノマスティカ)のお祝いが盛大らしい。ミハイ君、ミハエラさんには、11月8日の大天使ミカエルよ大天使ガブリエルのルーマビア正教の祝日に祝われるそうだ。ルーマニアでは、バス車中でも教会が見えると十字を切るほど信心深いお国柄なのでである。ラトビアでも、誕生日以外に名前の日があり、カレンダーにはその日の名前が示されている。(ちなみにカレンダーに記載のない名前はイチリツデ月22日。)ロシアは正教最大の国だが、オノマスティカより誕生日を祝うのが普通。

https://www.ssf.or.jp/
ssf_eyes/history/olym
pc_athlete/13.html
今日の最後は、チェコ。1964年の東京オリンピックで、チャスラフスカ(チャースラフカー)という女子体操選手がいた。エチオピアのマラソンのアベベ選手と並んで忘れられない名である。スラブ系言語では、姓には男性系と女性系があり、チャスラフスカの父親はチャスラフスキー。この姓は形容詞タイプ。名詞タイプには、作曲家のドボルザーク(ドヴォジャーク)。この家の女性はドヴォジャーコヴァーとなる。同じく作曲家のスメタナのように母音で終わる姓なら、女性系はスメタノヴァーになる。面白いのは、外国人の呼称も同様のキーやカー、オヴァー等をつける。テニスのナブラチロワ選手(ナヴラーチロヴァー)は、「返した」という動詞タイプの姓の女性形。テニス選手としては幸運な姓だといえるだろう。ちょっと可愛そうなのは、「変身」で有名な実存主義作家のカフカ。「黒丸カラス」の意。チェコ人には鳥の名前も多いのだとか。

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