2022年12月25日日曜日

ヨーロッパの原発事情 考

チェコの原発 https://www.denkishimbun.com/sp/46817
チェコは石炭資源が豊富で主要な火力発電(51%)は石炭中心。原発(35%)にも力を入れている国である。国内の電力需要は十分足りているのだが、余った電力(約30%)をオーストリアやドイツに輸出している。EU加盟国では、フランス・ドイツに次ぐ電力輸出国である。(ドイツには、高圧電線問題で悩む南部に輸出しているのだろう。)ところで、原発はオーストリア都の国境に近く、オーストリアは反原発の国で、チェコに脱原発を求めている。

ヨーロッパの電力事情を見てみると、エネルギー資源が多い(50%以上)で原発を稼働していない国は、ノルウェー、デンマーク、エストニア、アイスランド、ポーランド、ラトビア。エネルギー資源が少なく電力を輸入している国は、ギリシア、オーストリア、ポルトガル、イタリア、アイルランド、ルクセンブルグ。電髪を今は稼働しているが、脱原発の方向に向かっているのが、ドイツ、ベルギー、スイス。原発を稼働して、脱原発する予定がないのは、フランス、イギリス、オランダ、チェコ、スウェーデン、フィンランド、スロベニア、ハンガリー、スペイン、スロバキアといった国々で、電力輸出している国も多いというわけである。

様々な国が、隣り合っているヨーロッパでは、今回のエネルギー危機がどう影響するのか。エネルギーの安全保障という問題が浮かび上がる。ところで、前述の国々で、バルト三国のうちリトアニアが抜けている。リトアニアの原発事情はちょっと複雑なのである。ソ連に併合されていた時代に原発が2基建設され、国内の電力需要の70%をまかなっていた。しかし、EU加盟時に、この原発の閉鎖を条件の1つとされた。何故ならチェルノブイリと同型だったのである。安全性に問題ありというわけである。リトアニアはこれを受け入れ、火力発電に切り替えた。ところが、この燃料はロシアからの天然ガス輸入に頼らざるを得なくなり、この大会のため、新しい原発建設に進んでいるというわけである。ロシアにエネルギー依存したくないという国民感情は強いようだ。少し調べてみたが、その後建設は凍結されているらしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿