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文献資料の上で知られる最初の遊牧国家は前7世紀頃南ロシアの草原地帯を支配したスキタイ。前4世紀頃には蔭山(インシャン)山脈の北沿い(=現内モンゴル自治区からゴビ砂漠)に匈奴、天山山脈方面の鳥孫(うそん)・甘粛(かんしゅく)、タリム盆地の東の月氏などが出現。匈奴は、前3世紀末に冒頓単干(ぼくとつぜんう:単干は統率者の意)のもと、月氏を攻撃して中央アジアのオアシス地帯を支配、漢を圧迫した。しかし武帝の時に西方に進出、交易の利益を失い衰えて、1世紀半ばに東西に分裂する。
4世紀、フンの西進(ゲルマン大移動を呼び起こす)と鮮卑などの「五胡」の華北侵入が起こる。匈奴の一種族の羯(けつ)、氐(てい)、羌(きょう)なども侵入。戦闘力の高い彼らは後漢の傭兵として使われたりしていたが、政治的混乱に乗じて華北に建国する。漢人は、長江以南(=江南)に移住、中国は隋の成立まで分裂が続く。この中で、北魏は鮮卑の拓跋氏が建国し、太武帝が華北を統一する。
旺文社の「ここが出る世界史Bノート」には、次のような対比で中国と騎馬民族の対峙の歴史整理されている。
前3~後1世紀 匈奴 VS 秦・漢
2~4世紀 鮮卑 VS 魏・晋
5~6世紀 柔然 VS 北魏(鮮卑)
6~8世紀 突厥 VS 隋・唐
8~9世紀 ウィグル VS 唐
10~12世紀 契丹 VS 五代・宋
12~13世紀 女真 VS 南宋
13~14世紀 モンゴル=元
14~16世紀 オイラト・タタール VS 明
17世紀 女真=清
…騎馬民族は実力主義であることに注目したい。中国古来の科挙は漢民族の王朝・隋から始まっているが、メタに見た場合、この影響があるのではないか、と思われる。
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