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アメリカの大統領閣下は、中国共産党政府=WHOへの攻撃を強めている。WHOをG7で攻め立てることで、堀を埋め、本丸である中国共産党への反中連合国体制をつくろうとしているように私は思う。
その戦略は理解できるが、私はWHOへの拠出金を出さないという動きには絶対賛成できない。理由は簡単で、アフリカなどの後発開発途上国のパンデミック対策の主力は、言うまでもなくWHOだからだ。今、拠出金を止めると言うことは、アフリカへの感染拡大を容認するということに他ならない。悪意を持って言えば、アフリカ人は死ねと言っているに等しい。拠出金を出さないというカタチで、親中的なWHOの幹部を引きずり降ろそうとしていることは理解の範囲内だが、少なくとも今は絶対まずいと私は思う。
日本は、経済面では、中国からの企業引き上げ政策でアメリカに同調している。軍事的にもアメリカの”ポチ”であるのだが、このWHO拠出金問題では、大統領閣下に同調しなかった。ドイツも同調しなかったようだ。WWⅡで枢軸国として連合国(United nation=国連)の敵国だった日独は、戦後経済力を回復してからは、国際貢献を重視してきた。今だ敵国条項が生きている国連の中で、共に安保理常任理事国入りを悲願としている。そんな国連の敵国・日独とも、(中国より)かなり多くの額の拠出金を出している。韓国のように、事務総長を出しながら拠出金の滞納もない。二国とも真面目に協力しているのだ。ここで国連を否定するような動きをすることは、日独共に国益に反するわけだ。
だが、今回のWHOの問題は、国連の将来に大きな不信感を残した、といえるだろう。
国連には様々な問題がある。あまりに美化し、理想化することは現実的ではない。
だが、SDGsやユネスコ憲章をはじめ、世界の指針を定めることができる唯一の存在である。この意味は、極めて大きいと私は思っている。
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