2018年7月18日水曜日

PBTの話(47) 第一次講義終了

https://matome.naver.jp/odai/2139899857728455801
我がAクラスでは、総合科目の講義をとりあえず一通り終えた。最後の講義はエネルギー問題で、それもアメリカのシェール・ガスの話である。シェールガスの生産は、今やアメリカの天然ガス生産の30%を超えている。中小の開発業者のフロンティア精神は大したもので、一時期サウジが原油価格を下げ、つぶしにかかったが、生産技術の向上で生き残り、国際石油メジャーがこれらの中小の業者の取り込みにかかった。今や原油生産の10%くらいしかシェアを持たない石油メジャーだが、起死回生の経営戦略なのだろう。これでさらに、アメリカのシェール革命は成功に向かっている。シェールガスの価格は、国際価格よりかなり低価であり、このコスト減が、リーマンショック以来、中国沿海部なみの賃金に低下しているアメリカの労働者と融合した場合、アメリカの工業は国際競争力を復活させ、世界の工場・中国を脅かす可能性もあるという話である。

このシェールガスが、輸出に回されることになると、マレーシアは極めて厳しい立場に立たされる。日本は安い天然ガスを輸入するだろうし、マレーシアにとっては大きな痛手だ。遠くない将来、シェール革命が世界経済に風穴をあけるかもしれない。そんな話をしていたのだった。

12点の米国大統領が強気なのも、こういう背景があること、支持者であるプワーホワイトの現状などにもふれてみた。国際関係に興味のある学生にはかなり刺激的な講義だったようだ。

講義の後、これから11月のEJUまでに、どういう内容をしてほしいか、アンケートを実施した。あえて講義しなかった政治分野の選挙制度などは当然やるとして、もう一度復習をかねて第二次講義を行う予定なのだ。まずは、地理の自然(地形や気候)からかなと思って、パワーポイントをすでに用意しているが、この際わかりにくかった内容を書いて貰ったのだった。地理分野と政治分野が比較的多かったように思う。この時点で、自分がわかっていない分野をテキストを再読しながら再確認する作業は、意外に重要だと思う。

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