2018年7月5日木曜日

PBTの話(43) 国際関係分野 IN

バスボイコット事件のバスとローザ=ハークス女史
定期テストも終わり、F40Aは国際関係の分野に入っている。昨日今日と、人種問題、民族問題をパワーポイントを使って論じている。人種問題は、公民権運動とアパルトヘイトが主題になる。

公民権という概念は、日本で教えるのがかなり難しいけれど、マレーシアでは選挙で投票するのに手続きが必要なので理解しやすいと思う。十分時間をさいて公民権運動tとアパルトヘイトを論じた。その歴史は当然であるが、やはり私自身がアメリカや南アで体験した「百聞は一見にしかず」の話に皆感心を寄せてくれた。彼らにも是非、実際に感じて欲しいと思う。

アメリカの経験。NYの86丁目で$1をもらって立ち去った黒人ホームレス。コロンビア大学近くの¢50のホットドッグの店で会った「グッバイ、ブラザー」と言ってくれた松葉杖の黒人。ミュージアムマイルで見た、おそらく傷がい児の黒人の子どもと幸せそうに歩いていた白人老夫婦。NCで聞いた「テーブルの下にはまだ人種差別は生きている」という言葉…。
南アでの経験。銀行で白人に押しのけられたマレーシアへ旅行する黒人青年の話。通りすがりの青年にサーと呼ばれた体験。プレトリア大学での人種的な乖離が見られるランチタイム。反対にそういう乖離が見られなかった女子高校のバス停。ソウェト蜂起の現場に立った体験…。
ソウェト蜂起の時の有名な写真
私は、差別はなくならないだろうと思っている。いじめがなくならないようにである。問題は常に差別への誘惑から人間の精神を守ることだと思う。仏教的に言えば、煩悩に負けないこと。クリスチャンに対しは、人間が原罪を背負う不完全な存在であることの再認識、ムスリムに対しては、人間は平等であるという神のポリシーを守り抜く勇気、そんなことが必要な気がする。人間は、差別する存在なのだ。いじめはない、と言い切ってしまうと、その事実を誤認し、問題が大きくなるのと同様だ。

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