日本人会の無人古本コーナーで、中田考著「イスラム法の存立構造」-ハンバリー派フィクフ神事編-(ナカニシヤ出版/2003年10月発行・定価8300円)という本を発見した。このような極めて専門的な書籍を日本人会の誰が買うのだろう?(笑)それは私である。それも、中田先生に誠に申し訳ないが、たったRM1(30円足らず)である。信じられない話であるが…。
今日の放課後は、私のEJU対策オリジナル問題・26問を50分で学生にやってもらうことになっていた。さっそくこの本を持って、我がクラスに行った。中華系の我がクラスの学生は、その定価と購入金額の差に驚いた。確かに「カイモノ」というにはあまりにカイモノ過ぎる。比較的早く解答を終えた我がクラス、解答用紙を回収してから隣の国費生の教室に向かった。こちらもほぼ解答が終わっていて、すぐ回収したのだが、ムスリムである彼らは、私の持っている本に注目が集まった。「イスラム教の本ですか?」「そう。フィクフについて書いてある本だ。あのシャリーアとフィクフのフィクフ。」と言うと、「おおおっ」と声が上がった。このハンバリー派というのはサウジの法学派なので、マレーシアの法学派であるシャフィイー派とは異なる。(イスラム教には四大法学派があるらしい。)とはいえ、フィクフというアラビックの語彙を当然のように知っているところは流石である。ある女子学生が、「日本語の本ですか?」と興味津々で聞いてきた。「そうだよ。当然。(私は日本語しか読めない。)読んでみるかい?」と言うと、本の厚さに対してかなりびびっていたようだ。日本に留学したら、文系の学生はこういう本に立ち向かわなくてはならいのに…。(笑)
20ページほど、試験監督をしながら読んだが、なかなか面白そうだ。もちろん、この本に出会うまでに、かなりイスラムの学びを深めてきたが故だが…。今のところ読んでいて、なんとか理解できることが嬉しい。
追記:アマゾンでこの本を検索してみたら、日本では中古本でも全て1万円を越える価格がついていた。(驚)
2017年10月31日火曜日
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