http://diamond.jp/articles/-/145714 |
http://diamond.jp/articles/-/145714
記事自体、かなり面白い。観客は能の舞台を想像して楽しむ。太鼓や鼓、笛などの音響も当日の天候をも含んだバランス感覚に富んでいるとの指摘も面白い。だが、私が最も感じ入ったのは、650年の歴史を持つ「能」を支えてきた世阿弥のコードと呼ぶにふさわしい言葉である。
それは「初心忘るるべからず。」である。この言葉は、基本的に始めたときの初々しい気持ちを忘れるな、という戒めとして一般には受け止められているが、世阿弥の言うところは違うとのこと。初心の初という漢字は、衣編とつくりは刀から出来ている。これは、まっさらな衣(生地)に刀(ハサミ)を入れることを表している。折ある事に古い自己を裁ち切り、新たな自己として生まれ変わらなければならないという意味だそうだ。実際、「能」はこれまでに4度の「初」を経験しているらしい。派手好きな秀吉時代に重要量感のある現在のような装束になり、江戸時代初期には急に「能」のスピードがゆっくりになった。それ以前は2~3倍ものスピードで、ラップ&ヒップホップダンスの如きものだったらしい。さらに、明治、戦後とさらなる進化を遂げ現在に至る、とのこと。
こういう話は、教養という意味でも、日本文化の特質としても実に面白い。授業のネタに使おうかなと思う。とにかく今日は、F君のW大合格の報に私のテンションが異常に高いのだった。(笑)
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