2017年10月17日火曜日

「美しい日本の私」から49年

川端康成がノーベル文学賞を受けたのは、1968年の10月17日だそうである。WEBを何となく見ていて、時事通信社の「今日は何の日」に載っていた。川端康成のノーベル賞受賞講演「美しい日本の私」は有名である。

このタイトル、”美しい日本「の」私”が深い。「と」ではなく、「の」であるところが重要である。幾度となく、小論文指導などで語ってきた。残念ながらマレーシアには、この講談社現代新書を持参してはいない。ウィキで調べてみたら、意外なことが書いてあった。この講演については、川端康成がスウェーデン到着後もずっと書き続け3日も徹夜したそうだ。さらにこの翻訳に関しては、コペンハーゲン大学の仏教学者・藤吉慈海氏が関わって事なきを得たとある。

この藤吉慈海という仏教学者を私は知っている。久松真一門下であり、禅と念仏の共通性を探ろうとしていた人だ。自力本願の禅と他力本願の念仏。同じ仏教でありながら、修行方法については、極めて二律背反しているわけで、不思議な研究をしている人だと思っていた。その藤吉慈海氏が「美しい日本の私」の翻訳を影でささえていたわけだ。確かに、多くの仏教用語が在中している。どう翻訳すべきかは、専門的な知識抜きではありえない。

…意外な発見をしたのだった。

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