2017年10月7日土曜日

「国債の歴史」を読み始める。

総合科目の授業のほうは、EJU対策の範囲を既に終えて、過去問題や模擬問題を学生に配布して、その解答をずっとやっている。今年は公民分野のみを受け持ったわけだが、教師というのはいくら歳を重ねても進化していくべきものだと思う。高校の政治経済分野もこれまで何度も担当した。ベーシックな経済の教科指導はもちろんできるけれども、自分の学びというか、興味をそそられる分野もこっちにきて新たに生まれてきた。それが、「国債」である。当然ながら、私は「国債」を購入したことなどないし、教科書上の理解しかなかった。しかし、日本はGDPの2倍以上の国債を発行しており、世界一の借金を抱えていること、現在のアベノミクスが国債の価値を一気に下げる可能性があり、日本が破綻する危険があることなどを知るにつけ、「国債」についてはもっと学ぶべきだと考えていたのだ。

昨日、またまた日本人会の無人古本コーナーに、新しい書籍が入っていた。「国債の歴史~金利に凝縮された過去と未来」(富田俊基著/東洋経済新報社・2006年6月発行)である。2006年度の日経・経済図書文化賞受賞と帯に書かれていた。定価はなんと6000円。これが、RM10(=270円くらい)で売られていた。(RM1が古本コーナーの基本原則なので、ここでも特別扱いである。)

冒頭にある「はじめに」を立ち読みしたのだが、すぐに引き込まれてしまった。

国債の歴史は議会とともに誕生したこと。絶対王政の時代は国王の借金は、元本も金利もきちっと支払われなかったし、国王の寿命が尽きた後後継者は借金を踏み倒すこともできた。しかし議会は恒久的な機関で、その決定から国民は逃れることは出来ない。故に信用力が高く、国王よりも低い金利で借金ができた。イギリスでは、名誉革命で国債が誕生した。国王は国債の発行の際は議会の承認が必要になったし、利子を生み出す恒久的な税を設定するよう議会が要求した。これによって確実な利払いが保障され、最も安全な資産という地位を確立した。

…なるほど。目次を見ると近現代の世界史にそった内容になっている。これは、私の学びにうってつけの本だと思ったのだった。おそらく他の本と併読することになると思うので、次の書評をエントリーするのはいつになるかわからない。だが、今日のところは、読み始めた、ということで…。

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