国会で「改憲」が語られはじめている時期に、この本が出版されたことは偶然ではないのかもしれない。アメリカの占領政策の是非が同国人の東洋学専門家である著者に鋭く問われている本なのである。改憲派には絶好の座右の書となりえる。(私は中間派なので、あくまで歴史の実相の1ページとして読ませてもらった。)
すでに、GHQの占領政策(戦略的に、この戦争の本質を陸軍=悪=東条親玉としてしまうこと)の傲慢さも、オレンジ作戦などアメリカの対日戦略の狡猾さも、様々な(日本語で書かれた)本で描かれている。私としては、佐藤優が大川周明について書いた「日米開戦の真実」(2011年3月10日付ブログ参照)をイチオシしたいが、この本は、大川周明のちょうど対蹠点にある人物から見たものだ。いかに米軍・米政府・米メディアのプロパガンダが歪曲されたものであるかが、これでもかこれでもかと描かれる。うーん、たしかにマッカーサーは日本語の出版を許可することはできなかっただろうと思う。
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