2016年1月6日水曜日

日経 田中明彦氏の脆弱地域論

脆弱国家2013
前JICA理事長の田中明彦東大教授が、今朝の日経朝刊「経済教室」に寄稿していた。2016年の国際政治の3つの観点を論じたものである。ロシアや中国など地政学的軍事行動をとる可能性、ISなど超域テロの問題、ISなどを現に呼び込み、あるいは呼び込みかねない脆弱地域の問題である。

中でも田中氏が強調しているのは、脆弱地域の問題である。パワーという観点からすれば、脆弱地域は、統治能力というパワーが存在しない地域のことである。何としても機能する国家を作っていかねばならない。「言うは易く行うは難い」難題であるが、これら脆弱地域の縮小なしには、ますますIS勢力を広める。仮にISをシリア・イラクから駆逐しても、またどこかに根拠地ができてしまう。この点でも国際協力が必要である。人道的にも必要だが、安全保障に直結している。

…まあ、当然と言えば当然の話である。しかし、欧米をはじめ、多くの国の視点は、ISへの直接的な攻撃に絞られ、脆弱地域のことなど振り返りもされていないのが現実である。まさに、「言うは易く行うは難い」話なのだが、正論はこれしかない。

ところで、サウジとイランの断交に続いて、今日は北朝鮮の水爆実験ときた。年明けから不安の煽られ方が凄いな、どうなっているのだろう。この3日間、センター試験の倫理と政経の補習をやってきた。ついつい、世界情勢が大きく転換した話になるのだが、現実はさらに早い。早すぎる。

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