4組での実践 後方から見る |
5回の実践で、ゲームバランス上、大きな問題だと思ったのは、三角の部品をつくる上質紙が、アメリカとクウェートにしか存在しないことである。分度器をもち、作れるはずの先進国である日本には、上質紙がない。クウェートが、そのまま上質紙を市場に出さないと、アメリカの独占を許すことになる。1組では実際、そういう事態が起こった。そこで、2回目からは、事前に指導して、早めに市場に出させるようにした。
とにかく、莫大な資金をもつクウェートがどう動くかが重要である。最初の1組では、結局大きな動きをしないまま、その隙をついて、インドが部品を集め、競売でのりも手に入れて勝利した。2組では、早めに上質紙を市場に流し、部品を買い集め、元金(5000M)以上の利益(250M)を得た。意外にうまく動いたのが5組で、のりを6本1000Mで一気に買占め、これを利益をのせて市場に流した。自らも儲けながら、市場をうまく操作したと言える。最も完成品(四角形+円形+三角形)が私のもとに届き、各国それぞれに差があるものの利益を得た。我がクラスでは、こののりの買占め価格(1本300M)が、アメリカとせりあい、高くなった。多くの資金を使ってしまっていた中国やインドはのりを購入できなかった。時間が短く、もたもたしていると完成品を生産できない。結局、最初からクウェートと組んでいた日本とベトナムはなんとか利益を得たが、クウェート自体は損失を出してしまったのだ。「すみません。減価償却できませんでした。」と、クウェートの一言。この辺が難しい。
5組での実践 教卓から見る |
「地球家族」のフォトランゲージを使って、チーム分けをするわけだが、リーダーシップや政経の知識などが、その国の動きを大きく作用する。全くの偶然性でチーム分けをしたが、クウェートの人選(定員2名)だけは、市場を動かせそうな政経選択者を1人だけ指名した。それでもなお、なかなか難しかったのが事実である。
今日の4組・5組の画像を見てもわかるように教室の後方の途上国に人が集まっている。労働賃金が安いので、安く部品が生産できるからだ。ところで、我がクラスの「ふりかえり」の時、日本がクウェートと組んでのもうけたことに対して、S君が「構造的暴力や。」と一声上げた。平常点をやらねば、と思った次第。
機会があれば、また挑戦してみたいと思っている。
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