2015年1月22日木曜日

スーパー南北貿易ゲーム 報告

4組での実践 後方から見る
我が4組で、スーパー南北貿易ゲームを今日実践した。これで、普通科5クラス、すべて終了したことになる。ゲームの詳しいルールについては、今月8日のブログを参照願いたい。スタンダードの南北貿易ゲームをグローバル化という現実に即してグレードアップした私のオリジナル・アクティビティである。

5回の実践で、ゲームバランス上、大きな問題だと思ったのは、三角の部品をつくる上質紙が、アメリカとクウェートにしか存在しないことである。分度器をもち、作れるはずの先進国である日本には、上質紙がない。クウェートが、そのまま上質紙を市場に出さないと、アメリカの独占を許すことになる。1組では実際、そういう事態が起こった。そこで、2回目からは、事前に指導して、早めに市場に出させるようにした。

とにかく、莫大な資金をもつクウェートがどう動くかが重要である。最初の1組では、結局大きな動きをしないまま、その隙をついて、インドが部品を集め、競売でのりも手に入れて勝利した。2組では、早めに上質紙を市場に流し、部品を買い集め、元金(5000M)以上の利益(250M)を得た。意外にうまく動いたのが5組で、のりを6本1000Mで一気に買占め、これを利益をのせて市場に流した。自らも儲けながら、市場をうまく操作したと言える。最も完成品(四角形+円形+三角形)が私のもとに届き、各国それぞれに差があるものの利益を得た。我がクラスでは、こののりの買占め価格(1本300M)が、アメリカとせりあい、高くなった。多くの資金を使ってしまっていた中国やインドはのりを購入できなかった。時間が短く、もたもたしていると完成品を生産できない。結局、最初からクウェートと組んでいた日本とベトナムはなんとか利益を得たが、クウェート自体は損失を出してしまったのだ。「すみません。減価償却できませんでした。」と、クウェートの一言。この辺が難しい。

5組での実践 教卓から見る
50分間で、以前スタンダードな南北貿易ゲームをしたことがあっても、このゲームを行うのはかなり難しいことがわかった。もう少しスパンがあれば、完成品も大量に生産できたはずだ。

「地球家族」のフォトランゲージを使って、チーム分けをするわけだが、リーダーシップや政経の知識などが、その国の動きを大きく作用する。全くの偶然性でチーム分けをしたが、クウェートの人選(定員2名)だけは、市場を動かせそうな政経選択者を1人だけ指名した。それでもなお、なかなか難しかったのが事実である。

今日の4組・5組の画像を見てもわかるように教室の後方の途上国に人が集まっている。労働賃金が安いので、安く部品が生産できるからだ。ところで、我がクラスの「ふりかえり」の時、日本がクウェートと組んでのもうけたことに対して、S君が「構造的暴力や。」と一声上げた。平常点をやらねば、と思った次第。

機会があれば、また挑戦してみたいと思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿