2015年1月7日水曜日

日経 トヨタのFCV特許無償提供

http://osaka.way-nifty.com/blog/2009/06/post-53a3.html
日経の朝刊に、トヨタが燃料電池車(FCV)の特許(5680件)を無償で提供する旨の記事が出ていた。ちょうど、昨日・今日とI君に,「経済学」に続いて「経営学」の講義をしていたのだが、絶好の教材でもある。日経の記事と毎日の記事を読み比べてみると、日経に書かれていて毎日に書かれていないのは、ハイブリッド車のことだ。日本では好調な売れ行きのハイブリッド車だが、全世界の車の販売台数でみると、わずか2%に過ぎないという「事実」であった。このニュースを理解するために極めて重要な事実だと私は思う。

ハイブリッド車には、特殊なインフラ(水素ステーション)は必要ないが、販売比率は2%である。燃料電池車をいくら開発し先行したとはいえ、、インフラが絶対不可欠故に販売台数を増やすことは至難の業である。大量生産できなければコストは下がらないし、水素ステーションが増えなければ、需要自体が絶対的に伸びない。いくら日本最大の企業であるとはいえ、トヨタ一社でできることではない。そこで、特許の無償提供という戦略になるわけだ。

昔、私が子供のころ、未来予測のイラストがあふれていた。家庭にロボットがいて、TV電話があって…。(かなり近づいてきたなあ。)そして、エアカーが走っているのだ。(鉄道ではリニアモーターカーはできたけれど、ホバークラフトもできたけれど…。)ところが、道路を走る自動車にはまだ車輪が付いている。

ある意味、その燃料電池車、そのエアカーより凄いかもしれない。地球環境を考えた場合、極めて有効だからだ。トヨタは、自社の利益を当然考えたはずだが、それを補ってあまりある貢献と名誉が与えられるはずだ。持続可能な社会を目指すうえで、重要な第一歩を記した日ではないかと思うのだった。

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