世界史Bの時間、ESDのアクティビティということで、冬季休業中に構想してきた「スーパー南北貿易ゲーム」を今日から始めることにした。実施予定は2コマである。今日は、その最初の1コマ。まずは、「地球家族」の写真をもとにチーム分けする。今回は、日本・アメリカ合衆国・中国・インド・ベトナム・キューバ・エチオピア・クウェート。それぞれの写真を人数に合わせて、パーツ化したうえで、封筒に入れてある。これを全員が引いて、さあ仲間を探そうというわけだ。かなり盛り上がる。
とりあえず写真が出来上がったら、どこかを考えさせる。日本は当然あたるが、他はなかなか難しい。教室内に各国の位置を指定し、準備ができた時点で、プリントを配布する。(今日の画像参照)
2年生の時に、資本主義理解のために、すでにスタンダードな南北貿易ゲームは一度やっている。(2013年12月13日付ブログ参照)三角形や円形、長方形(それぞれ角度や大きさが指定されている)を、様々な文房具を使って、ザラ紙に書き、ハサミで切って、世界銀行に渡すと代金が支払われるという開発教育では超有名なゲームだ。ただし、先進国は資金も多いし、文房具も充実している。途上国はその逆だ。そういう不公平な条件下で行われるのがミソである。
今回の「スーパー南北貿易ゲーム」は、グローバル化を念頭に再構築したもの。多国籍企業が、新興国や途上国に生産拠点を移している現状を学ぶのがねらいだ。
それとゲーム上の問題だが、世界銀行のメンバーは最初暇で仕方ない。後半は多忙で、いつも大変である。(一度やっているので、あまりやりたがらないだとうと推測した。)できれば、その役割を無くしたかった。この二つを止揚したのが、今回のオリジナルゲームである。
新ゲームのカギは3つある。第一に、先進国・新興国・途上国での生産コストを決めたことである。たとえば、途上国で(たとえ他国の人間であっても)生産すれば、三角形は50M(マネー)、円形は20M、長方形は10Mで生産される。先進国では、三角形は90M、円形は60M、長方形は50Mで生産されることにした。これらは、部品である。その原料も、三角形は上質紙、円形はザラ紙、長方形は新聞紙とした。
第二に、商品として利益を生むのは、これらをのりで貼り、完成品とした場合にした。これをコーディネーターである私が買い取ることにした。不良品を見つけやすいような図形を考えた。のりは、開始20分後に競売にかけようと思う。もし、先進国Aがすべてを国内で生産した場合、200Mかかる。これをのりを購入して完成させてもその代金は220M、利益は20Mにしかならない。途上国ですべてを生産すれば80M、利益は140Mになる。この(仮想の)生産コストの差を現実化してくれるのが、第三のカギ、レンティア国・クウェートの存在である。彼らには5000Mという莫大な資金を与えた。ただし、自らの生産を禁じてある。彼らには、開始20分までの世界銀行的な役割を担ってもらおうと思う。おそらく、部品を買い集めるはずだが、たとえ、買い集めなくても彼らの存在が生産コストを現実のものとしている。彼らがその資金をどう使うかは、おそらくゲームの行方を左右するはずだ。
チーム分け。チーム内で戦略会議、さらに他国との折衝開始。質問を受けながら、大いに盛り上がっているところにチャイムが鳴ったのだった。ゲームの実施報告は、来週以降になると思う。
2015年1月8日木曜日
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