2015年1月13日火曜日

毎日 マリの英雄と「昨年7000人」

http://www.boredpanda.com/charlie-
hebdo-shooting-tribute-illustrators-cartoonists/
パリの、ユダヤ人向けスーパーたてこもり事件で客5人を冷蔵庫にかくまって救出に導いたマリ出身のイスラム教徒の男性が賞賛されているという記事が、今日の毎日の朝刊に載っていた。記事によると、4年前マリから移民した彼はスーパーの倉庫係として働いていた。襲撃の時、地下で礼拝をしていたという。地下に逃げ込んできた客が避難できるよう、大型冷蔵庫の冷却装置と照明を切りかくまった。地下から外部に通じるエレベーターで脱出を勧めたが、客たちはそのまま冷蔵庫に潜むことを選択。彼は1人で脱出したが、アフリカ系の風貌のため共犯者と誤解され30分拘束されたという。誤解が解けた後は店の見取り図を描き警察に全面協力したという。

彼の言葉である。「イスラム教徒もキリスト教徒もユダヤ人もみな兄弟だ。ともに寄り添って困難を克服しなければいけない。」彼に、勲章をという声も出ているという。

一方、同じ朝刊に、エレサレム支局の大治朋子氏の「ユダヤ人・最後の砦」というコラム(発信箱)が載っていた。イスラエルは、早くから欧州でのテロを予測していたことが書かれている。欧州では最近反ユダヤ主義が再燃している。特にフランスでは、昨年のガザの戦闘を期に大規模なデモが起きたり、シナゴーグが襲われたりしている。身の危険を感じてイスラエルに移住したユダヤ人の数は昨年7000人以上に上り、一昨年の倍以上に達したという。

ナチスのホロコーストの時代と今の最大の違いは、ユダヤ人が仮に世界中で迫害を受けても、彼らを必ず受け入れるイスラエルという国があることだろう。イスラエルとパレスチナの紛争は宗教というより土地をめぐる争いだと感じることが少なくない、と大治氏は言う。イスラエルはユダヤ人にとって「最後の砦」だ。そのことを常に意識しないとイスラエルを正確に理解することはできないと改めて感じていると結ばれている。

…最後に、もう一度、マリの男性・ラサナ・バティリ氏の言葉を噛みしめたい。「イスラム教徒もキリスト教徒もユダヤ人もみな兄弟だ。ともに寄り添って困難を克服しなければいけない。」

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