2012年10月4日木曜日

ケニアのUshirika International

ウシリカ HPより
毎日新聞の朝刊に、矢野敏行さんという方の記事が載っていた。タイヤメーカーの駐在員としてマネジメントをしていた方だそうだ。ケニアで定年退職後、そのままケニアに残り、支援活動をされていたようだが、タンザニア国境に近いロイトキトクという町で3年前に学校をつくった。現在園児から小学5年生まで約190人が通うという。今春児童の母親をリーダーにした主婦グループを作り、家畜のヤギや羊を渡している。交流する裁縫の訓練施設では卒業生に賃金を払い、タオル用の布地を提供している。駐在員時代は、自分が使う機械は自分でメンテナンスの責任を持つ「マイ・マシン活動」を進めた。学校では算数を教えることもあり、子供に人気だが、「工場で機械の使い方を説明するのと一緒」と照れる人らしい。

私が、いいなあと思ったのは、学校を作っても保護者の協力が不可欠だということを、矢野さんが実践されていること。ブルキナで教育省の方(JICAの取り組みを見学した後お話をさせていただく機会があったのだ。)と語り合った時、子供への教育の重要性を認識してもらうこと、同時に大人にも識字率を広めること、貧困を克服するための地域的な取り組みなど、保護者との関わりは極めて重要なことだという結論になったのだ。

もうひとつ、矢野さんが、ケニアで「メンテナンス」をすることを推進していることだ。ケニアの国土地理院のような役所で日本人専門家から、「スワヒリ語にはメンテナンスにあたる語彙がないんですよ。」と教えてもらったことを思い出す。語彙がないと言う事は、そういう概念が、スワヒリ語世界にないことを意味する。科学技術(経済と言い換えてもいい。)を発展させるためには、メンテナンスの習慣は必須だ。

学校と保護者の関わり、メンテナンスの重要性。こういう「開発経済学のミクロな部分」に矢野さんがきちんと対応されていることに、私は嬉しく思った次第。矢野さんが代表を務めておられるNGOは、Ushirika International(ウシリカ・インターナショナル)というらしい。ウシリカとは、スワヒリ語で「一緒に」を意味するそうだ。矢野さんのますますの活躍を期待したい。
http://ushirika.jimdo.com/

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