2010年11月5日金曜日

海瑞罷官を評す?

昨日は、飲み会で帰宅が12時になってしまい、結局ブログを更新できなかった。本当は、昨日は4日付の毎日新聞朝刊の木語というコラムについて書くつもりだった。(私は朝が早く、どたばたしているので、朝刊を見るのは、夕刊ともども夕食後というのが普通である。)そのタイトルは、「危うし中国の温家宝首相」である。要旨を述べると、次の如くである。

温首相が菅首相との会談を拒否した2日前の人民日報に温首相を攻撃する論文が掲載された。「根本を正し、根源を清める」という意味をもじったペンネームの署名入り記事で、「正しい政治の方向に沿い、積極穏健に政治体制改革を推進せよ」という長いタイトルだった。「政治の正しい方向」とは、硬直した社会主義であり、「積極穏健に政治体制改革を推進」とは改革をやるなという風に読めると、香港紙は注目している。論文は、暗に温首相の『民主化重視』や『政治改革の停滞と後退は人民の意思に反する』と言ったことに、かみついた後、「四つの堅持」を主張している①共産党指導の堅持②社会主義制度の堅持③中国の特色ある社会主義発展の道の堅持④手順漸進・着実推進の堅持である。要するに、政治改革など必要ないというわけだ。
一方、同じ日に新華社(通信社)が、胡首席と次期国家主席と目される習副主席が、国防大学の党員と懇談している写真を配信した。2人とも、軍事委員会の制服、人民服である。香港紙は、先の人民日報の記事と新華社の配信から、温首相の政治改革を批判する背後の勢力は、軍ではないか、と微妙な論調で伝えている。

私が9月25日付のブログで書いた、「紅」から変化した「中華ナショナリズム」、要するに人民解放軍が、温首相をゆさぶっているのではないかという私論が、現実味を帯びてきたわけである。私は推察が当ったと決して喜んでいるわけではない。軍という存在は、いつの時代にも、豊かではない集団・階層によって主に構成されてきた。彼らの不満が、ヒシヒシと伝わってくる。

今日のNHKニュースで、「にんにく」の異常な値上がりについて報道していた。需要と供給のバランスではなく、比較的保存のきく食品故に、投機によって値上がりしているのである。その投機筋は中国の「小金持ち」と呼ばれる人びとらしい。たしかに異常な事態である。内陸部の負け組から見れば、中国の革命とは何だったのかという憤慨が起るのは理解できる。

文化大革命も、姚文元の「海瑞罷官を評す」から始まった。中国は少なからず、また「紅」に、ゆれもどるのだろうか。その時、世界は?と私は、ちょっと大げさに危惧するのだが…。

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