2010年8月12日木曜日
私感/ルワンダの大統領選
今日のasahi.comによると、ルワンダのカガメ大統領が圧倒的得票率で再選されたとあった。
『ルワンダで9日に大統領選があり、中央選挙管理委員会は11日、現職ポール・カガメ大統領(52)が、約93%の圧倒的な得票で2期目の当選を果たしたと発表した。任期は7年。順調な経済成長の維持と、強権的と批判される政治手法の改善が2期目の課題となる。 今回、カガメ氏のほかに3政党から3人が立候補したが、いずれもカガメ氏の与党・ルワンダ愛国戦線と連携する政党の所属。カガメ氏と対立する野党候補らは手続きの不備を理由に出馬を認められず、大統領選は出来レースと見られてきた。 ロイター通信などによると、11日の選管発表後、首都キガリのバスターミナルで手投げ弾が爆発し、7人が負傷。反対勢力による犯行の可能性がある。 カガメ氏は、1994年に少数派民族ツチなど80万人が犠牲になった大虐殺の後、反政府勢力を率いて多数派民族フツ系の政府を倒し、実権を掌握。00年に暫定大統領に就き、03年の大統領選で選ばれた。資源は少ない国だが、IT化を推進するなど基盤整備を進めて投資を呼び込み、08年に国内総生産(GDP)の成長率11.2%を記録するなど、高い経済成長を維持してきた。【アンタナナリボ(マダガスカル)=古谷祐伸】』
4月6日のブログで、カガメ大統領が、ディアスポラと呼ばれる欧米で教育を受けたツチ人で、見事なガバナンスを実現、大虐殺事件を乗り越えて、フツ人とともに経済成長著しいことを紹介したNHKの番組のことについて書いた。ルワンダは実に頑張っている。しかし、記事を読むと、ポール・コリアーのデモクレイジー理論(1月28日付ブログ参照)が、ルワンダにもあることが証明されているようである。
正直、ちょっとがっかりであるが、よくよく考えてみると、近代化(これは国民国家を手に入れ、民主主義と資本主義を受け入れる欧米化の過程とあえて定義する)が推進された日本の幕末・維新でも、様々な暴力的テロが起こってきた。簡単に、誰もが近代化を受け入れることは不可能だと、歴史は語っている。ルワンダは、私の中では、アフリカの優等生である。資源のない、エスニック対立のある、内陸国。不利な条件の中頑張っている国である。この大統領選挙で、投資に陰りが見えることが最も恐ろしい。アフリカのデモクレイジーを長い目で見るべきだと思うとともに、期待大のルワンダには、次の選挙はこういう批判の出ない選挙にしてもらいたいものだと思うのである。
今、仮想世界ゲームをESD理解のためのものに再構築しようと、頭の中で奮闘している。開発経済学をゲーム化する無謀な試みだが、少しでもバランスの良いものにしたい。持続可能な開発を目指す先進国。彼らは経済成長を進めながら、南北問題や環境問題のジレンマに挑む。一方で経済的格差を最初からつけられた途上国。なんとか生き延びる中で、先進国の協力も得ながら、1人あたりのGDPを増やす。そんなゲームのゴールを今考えている。ルワンダは、仮想世界ではなく、現実世界の途上国のゴールのモデルの1つである。頼んますわ!カガメ大統領!
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