2010年8月2日月曜日
Right! Right! Right!
Right…今日のブログのテーマは「右」である。先週『聖書の名画はなぜこんなに面白いのか』(井出洋一郎/中経の文庫)を読んでいて、なるほど!と手を打った。この本は、タイトルの如く、旧約聖書(すなわちユダヤ教典としての)ならびに新約聖書の記載事項を西洋美術を鑑賞する上で必要な基礎知識としてコンパクトにまとめた文庫本である。今年はもう現代社会でヘブライズムをやってしまった。それが残念だと思うくらいの『授業の種』であった。
さて、上記の絵を見ていただきたい。ルーブル美術館にある『キリストの磔刑』という絵である。見事に右と左が善と悪に区別されている。キリストの右側は、ヨハネ(聖母マリアのことをイエスに託されたヨハネ)が祈り、聖母マリアが悲しみ、他のマリアが聖母を支えている。左が悪で、ローマの隊長や兵士が、イエスの服を誰のものにするかルーレットでくじを引いている。共に磔になった泥棒も右の者は正面を向いてキリストを正視しているのに、左はそっぽを向いている。しかも右の泥棒には日が当っているのに、左は山影で暗くなっている。
そう、英語の右、Rightの語源は、文字通り『正しい』なのである。あまりの単純な言霊に私は驚いたのであった。知っているようで知らない話。所詮私も”先生”などと言われていても無知の知なのである。やはり”先生”と呼ばれるのは30年やっても恥ずかしいし、”傲慢”の危険な匂いがする。…と、自戒するのであった。
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