2025年2月18日火曜日

トランプの経済政策考

https://www.npojass.org/archives/17133
ギリシアの経済学者・ヤニス・ヴァルファキス氏のトランプ政権の経済政策についての考察を紹介しているYouTubeチャンネルが実に興味深いので、紹介しようと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=4vU8DHQWFJA

トランプ政権は、USドルが石油をはじめとする貿易の基軸通貨になっていることが、アメリカの大きなリスクになっていると考えているようだ。日本を含めたアメリカ以外の国は、USドルを手に入れるためにアメリカにモノやサービスを輸出しなければならなくなった。この結果、アメリカの製造業は衰退し、金融・保険・不動産業やIT産業がが伸びることになった。(2月5日付ブログで、アメリカで儲かっているのは一部のIT関連企業だけであることを紹介した。)しかし、これらの産業で働き裕福な人は就業者全体の10%に過ぎず、経済格差が拡大している。

トランプ政権は、このような格差拡大はアメリカの衰退と捉えている。(国民を無視している日本の政治家や財務省に聞かせてやりたい話である。少なくともトランプ政権は国民のことを考えている。)またリーマンショックのような金融ショックがあると、たちまちアメリカは経済の基盤を失うと考えているわけだ。様々なモノを他国に依存しているという脆弱性を排するために製造業を復活させることが必須と考えているのである。

何故アメリカの製造業が負け続けているのか。それはアメリカの経常収支が赤字であるのに、ドル高が続いているからである。日本を含めた各国政府は、円売り・ドル買いの介入をしたり、ドルをそのまま米国債に投資しているからである。(日本の米国債は140兆円)よって、USドルの価値が下がりにくい状況になっている。ヴァルファキス氏は、これが腹立たしいのだろうと言っている。

そこで、ヴァルファキス氏は、アンチ・ニクソンショックをトランプ政権は狙っているのではないかと考察する。(金融で世界を支配していたことへのアンチテーゼというわけだ。)製造業を復活させるためのドル安と経済活性化のための低金利への移行しながらも基軸通貨の立場を保持、という経済政策である。

この具体策として、第一段階として関税を使う。高関税をかけ、各国はそれに対して利下げで相殺・対抗しようとする(実際メキシコは25%の関税に4年ぶりに思い切った0.5%の利下げを実施しペソ安に誘導しようとした。)ただし、この通貨安は国民生活に物価高という不満を抱かせ、各国政府は対策を練らねばならない。(財務省・日本政府は、この円安の物価高の中で、まだ増税するという馬鹿な政策を考えている。これに対する財務省への市民デモが行われているが、USAIDの亡霊か、マスコミ各社への財務省の圧力か、SNS以外では報道されていない。)

この高関税→通貨安→物価高→国民の支持を失う各国政府に、個別のディール(取引)をやっていくのが、第二段階。日本などのように外貨準備が多い国には為替介入をして通貨高(円高)にさせていく。ユーロ圏には、米国債を長めの債券に交換し、ドイツの製造業をアメリカに移転、さらにNATO諸国にアメリカ製の武器を購入させるとヴァルファキス氏は予想している。

…日本とのディールは、首相の交代、USAIDに関わった政治家・官僚・企業関係者の事情聴取ならびに逮捕、消費税の廃止、財務省の解体、移民政策の抜本的改革などになるだろう。これは私の期待でもあるのだが…。トランプは、日本史上で、ペリー、マッカーサーに並ぶ3人目のアメリカ人として名を残すことになるだろうか。

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