2024年11月11日月曜日

南アのジニ係数 0.630

https://africa-keizai.com/income-disparity_poverty_south-africa/
地理総合では、グローバル化を中心に授業をしている。ジニ係数についても、教えている。グローバル化の最大のデメリットは、国内ならびに、先進国と途上国の経済格差が共に拡大することだ。国内の格差はジニ係数で、国家間の格差はHDIで比較するのが、高校の授業としては最も適当だと思う。

そのジニ係数、世界で最も数値が高い(=格差が大きい)のは、南アで0.630である。(ジニ係数の最大は1、完全平等は0となる。)アフリカ哲学全史で、南アのマンデラやツツのアパルトヘイト後の思想「ウプントゥ」について深く学んできたが、現状は実に厳しいわけだ。

https://africa-keizai.com/income-disparity_poverty_south-africa/
南アのジニ係数が高い理由について、ある生徒から「何故ですか?」という質問を受けた。直感で、「鉱山を所有しているような少数の富裕層がいるからだと思う。」と答えたのだが、資料を見ると、たしかに所得の上位10%が、全体の50%を占めている。

南アに行った時、プレトリアのゲストハウス(まあ安宿である。)の黒人スタッフが大学出であったことだ。彼には、いろいろと教えてもらって助かったのだが、およそホワイトカラーとして活躍していても不思議ではないのに、良い職がなかったのだろう。今はどうしているだろうか。中間層としてそれなりの暮らし向きであればいいのだが…。

庭でラジオを聞きながら、英語のコミックを電訳機を片手に読んでいたら、掃除のオバサンが、「そのラジオは日本製?いくらくらいするの?」と聞いてきた。最も安いラジオで、1000円くらいだった。当時のランド(南アの通貨)に換算して答えると、「私の給料ではとても買えないわ。」と言ってきた。「ジンバブエに行って、もう一度このゲストハウスに戻ってくるから、その時プレゼントするよ。」と言ったら大喜び。ジンバブエから戻ってきたら私の名を呼び、ハグしてきた。(笑)翌日、彼女は、腰に私のラジオを結びつけてご機嫌で掃除に勤しんでいた。彼女の所得はあれから少しでも向上したのだろうか。

南アのジニ係数について、理論上の話ではなく、現実の体験からそんな危惧を抱いたのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿