まずオランダの宗教事情。カトリックのスペインから独立したゴイセン(カルバン派)の国であるし、プロテスタント(カルヴァン派の総称として:様々な宗派に分かれているのでこう称するしかない。ルター派や聖公会とは区別される)が多いと思っていたのだが、カトリックが30%、プロテスタントが20%、無宗教42%になっている。個人の自由や人権を重視する国であるし、今や無宗教が多数派なのであった。スイスもカルヴァンの宗教改革の本拠地であるが、カトリックが42%でプロテスタントの35%を抑えている。ちなみに、北アイルランドも、カトリックが46%、プロテスタント44%。紛争は収まったとはいえ、微妙な数字である。こうしてみると、意外にカトリックは強いわけだ。
ベトナムも、仏教のイメージがあるが、無宗教は81%。社会主義政権の影響はここにも出ている。中国は統計がないし、信教の自由を保証しているが、おそらく無宗教がほとんどであろう。こういう社会主義の影響は、ヨーロッパの旧社会主義国にも顕著である。
興味深かったのは、今回の調査国として登場したアフリカ諸国の中で、南アとジンバブエで、独立系のキリスト教会が首位にあることだ。南アは37%、ジンバブエは38%である。南部アフリカに独立系が多いらしく、ボツワナのキリスト教71.6%はほとんど独立系という記述があった。アンゴラ、エスワティニ(旧スワジランド)や(旧フランス領の)コンゴなどにも、多数派ではないものの独立系の%記述があった。
ちなみに、モーリシャスはヒンドゥー教が49.6%でアフリカ唯一の多数派。インド系の人々が多いわけだ。ザンビアには、バハーイ教1.8%、ベナンには、ブードゥ教17.3%ともあった。バハーイ教は一言で説明しにくいが、イスラエル行の時、ハイファという街でその存在を知った一神教である。ブードゥ教は、ゾンビで有名な実に興味深い呪術的な宗教である。
0 件のコメント:
コメントを投稿