ザンビア東部州の仮面結社の調査から、ズィオン聖霊教会の調査を始めたらしい。聖霊に憑依された霊媒が病気治療、託宣、発見を行うことを特徴としたキリスト教会である。
キリスト教の広がりは、彼らの死生観や再生観に根本的な変化を起こしてはいないらしく、聖霊教会の主な活動は病気治療であるらしい。
1990年代の未曾有の混乱期(ゲリラや旱魃、貧困、エイズ)に急速にキリスト教は拡大したが、(血縁・地縁とともに)相互扶助の回路として広がった。治療儀礼では、聖書の聖句をよりどころとして、災因を動物霊や祖霊、邪術と疑う依頼者と問答を繰り返し、納得がいく語りが生成されていくそうである。また洗礼時には儀礼の中で信徒が聖書の世界を忠実になぞり実現し、聖書の世界が現実として生きているという。
さらに、南アフリカ、マラウイ、ジンバブエの聖霊教会とザンビアの聖霊教会の系譜的関係が検証されていく。ペンテコステ(使徒言行録にありイエスの復活の10日後に聖霊が降臨、各人が異言で語り始めた)系の影響が大きいようである。
…かなり簡略化して記してみたが、これまでのアフリカ・ウォッチヤーとして、ある程度予想していた内容だった。キリスト教の本流から見れば違和感があるかもしれないけれど、タイトルに有るように、宗教の始原という視点から見ると、シャーマニズム的な要素はそもそもある(聖書にも病気治療などの多くの奇跡がある)わけで、やはりアフリカは興味深い、と私などは思う次第。
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