2023年12月24日日曜日

「どろどろの聖人伝」4

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「どろどろの聖人伝」のエントリーを、再開したい。洗礼者ヨハネの話から。ユダヤの神殿の高齢の祭司ザカリアに天使ガブリエルが、神の指示にっよって同じく高齢の妻エリザベトとの間に男の子が生まれる、ヨハネと名付けるようにと告げる。このエリザベトはマリアの従姉妹で、マリアがイエスを宿す半年前であった。マリアはこのエリザベトのもとで数ヶ月共に過ごした。外典「ヤコブの原福音書」には、この後、前述のヘロデによる幼児大虐殺の歳、ヨハネとエリザベトは天使の導きで難を逃れるが、ザカリアは神殿で惨殺されたという。洗礼者ヨハネとその両親も聖人に認定されている。洗礼については、ヨハネがイエスに受けたかったらしいが、反対にイエスに行うことになった。洗礼後、ヨハネは、死んだヘロデ王の息子が王となったが、兄弟の妻を不倫の末に妻にしたことを批判、捕らえられたが民衆に絶大な人気があり、処刑できなかった。そこでサロメの事件(連れ子の娘サロメの踊りが素晴らしかったので、褒美は何がいいかを聞くと、ヨハネの首と答えた。)が起こるわけだ。

イエスの起こした死人を生き返らせるという奇跡の相手がラザロ。カトリック教会の伝承では、後マルセイユで初代司教となったとれ、列聖されている。心肺停止からの自動的蘇生をラザロ症候群、脳死患者が手足を動かすことをラザロ徴候と呼ぶのは、ここからきている。

また、ニコデモの福音書によると、イエスが十字架刑になった際、2人の強盗とともにであったが、そのうちの1人・ディスマス(画像参照)は、イエスを称えたので、「あなたは今日渡しと一緒に天国に入ります。」と語りかけてもらえた。前述のように聖人は天国で神の側ににいるので、祈りを執り成してくれると信じられているが、このディスマスは例外で、帰天する前にイエスに天国入りを確約されたという例外で、強盗でありながら「善良な強盗」という矛盾する称号で列聖されている。さて、ダンテの神曲の中で、イエス以前に死んだ義人(正しい人:アブラハムやダヴィデから洗礼者ヨハネ等々)はリンポという冥界にいたのだが、彼らを天国に案内したのは、ディスマスだとされている。また同じニコデモの福音書によると、イエスの死を確認するために脇腹に槍を刺した(と言われている)百人隊長のロンギヌスは、目の病気を持っていたが、イエスの血が目に入って完治し、この奇跡体験から熱心に布教活動をし、殉教。列聖されている。ちなみに聖遺物とされるロンギヌスの槍は何本も見つかっているが、その1本はバチカンにあるそうだ。

https://www.min-travel.co.jp/lounge/report/details/220
十二使徒最初の殉教者は、大ヤコブ(英語名は、ジェイコブやジェームズ、西語名はティアゴ)エルサレムで斬首された遺体が以前布教したスペインに(弟子か天使かは不明)運ばれたという伝説があり、レコンキスタ盛んなりし9世紀に発見された。この地は、「聖ヤコブの道」を意味する「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」(画像参照)と名付けられ、エレサレム、バチカンと並ぶ三大聖地となっている。有名な帆立貝がシンボルの巡礼地である。この帆立貝が何故シンボルなのかには諸説あるようだが、帆立貝は、ドイツではヤコブの貝とよばれているくらい、ヤコブ=帆立貝は一般的認識である。

十二使徒(イスカリオテのユダは除く)については、長寿を全うしたヨハネを除いて全員殉教している。この辺は割愛したい。

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