佐藤優は同志社神学部時代に新左翼運動をしていたことは他の著作で知っていた。まあ、池上はどうでもいいのだが、慶応の経済らしい。こちらは少し年齢が上で、日本資本主義論争で言うところの労農派のイデオローグ・宇野弘蔵に惹かれていたらしい。宇野は法政大に現役でいたらしいが、東京教育大(現筑波大)に弟子の長坂某がいたので、そちらを志望していたが、移転を巡る学園紛争で入試が中止、東大の文Ⅱ(経済)も宇野の弟子が多かったが東大紛争で入試中止、早稲田の経済は近経(ケインズ学派)が中心なので論外、慶応を調べたら、労農派とは反対の講座派の学部長だったが、日本共産党と一線を画す新講座派だったので、慶応にしたのだとか。ふーん。佐藤優に言わせると、法政は当時中核派の牙城で、マル経(マルクス経済学)をまともに学ぶことは出来なかっただろうとのこと。
こういう話が満載の新書である。とりあえず明日中には一読できそうなので、改めて書評らしき書評を書こうかなと思う。ちなみに、この本には前作があり戦後から1960年までのことが記されているそうだ。冒頭で概略の説明があったが、これで十分。この本は、1960年~1972年まで。72年といえば中学3年である。新左翼運動が盛り上がり、そして壊滅していった時期になる。一応、紛無派・ノンポリの私といえど、書かれているセクト名などには馴染みがあるので面白いし、速読できる新書である。
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