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最初はウクライナの民族主義対ソ連時代に移民してきたロシア系住民の争いというスタンスだったが、アメリカ・EU・日本などの西側諸国が、ロシアの侵略戦争だとして経済制裁に踏切り、完全に西側対ロシアという構図が出来上がった。日本のマスコミなど、ウクライナ支持一色で気味の悪さを感じたほどだった。
ロシアは、天然ガスを戦略物資としてEUに対抗している。今は夏だが、例年ロシア産の天然ガスを貯めて冬に備えるのが通例らしい。EU諸国は代替輸入に頭を抱えている。当然ながら、化石燃料の世界的高騰が続き、コストプッシュインフレが世界を震撼させている。コロナ禍で世界経済が停滞している中、さらなる災厄が到来したわけだ。
こんな中で、トルコが微妙な動きをしている。先日エントリーしたように、トルコにとってはクルド問題が最大の課題で、スウェーデン・フィンランドのNATO加盟に待ったをかけ、かれらにクルド人を見捨てさせることに成功した。さらにエルドアン大統領は、ロシアのプーチンならびにチェチェンの独裁者・カディロフ(今やチェチェンは反ロシアではなく親ロシアである)同席のもと会談した。シリア内戦で、トルコと敵対(=クルドと共闘)していたチェチェンと和解したもようだ。トルコは、アゼルバイジャンからの天然ガス供給の要でもあるし、そのアゼルバイジャンとアルメニアの紛争が再燃しており、これからのウクライナ情勢(戦況というよりEU諸国のエネルギー対応に対して)地政学的にもますます重要な立場に立っているわけで、目が離せない。ちなみにトルコはNATO加盟国だが、EUには加盟させてもらえていない。
サウジアラビアや湾岸諸国も、ロシア寄りになってきたようだ。ロシアのガスプロムに投資をしているらしい。一応サウジの王族の民間投資会社(政府系ファンドもこの企業に投資している)経由ではあるが、アメリカ離れしている、というのは事実であろう。プーチンは湾岸諸国会議に招かれ、反イランの姿勢を明確にしたという。一方アメリカの梅も湾岸書庫奥会議に来たが何をしにきたのかわからなかったという。
EUは第四帝国と揶揄されるほどドイツの影響力が大きいが、先日エントリーしたようにドイツが最もヤバい状況である。どう折り合いをつけていくのか余談をゆるさないし、EUの団結力は、大量のシリア難民来欧の時に露呈したが、かなり脆弱である。EUの屋台骨が揺らぐかもしれない。
ロシアへの経済制裁は、とりあえずEU諸国にとって大きなブーメランとして返ってきている。エネルギーだけでなく、食料も危機に瀕する可能背が高い。コストプッシュインフレはまだまだ続くだろう。日本にも今以上の様々な問題が降りかかるおそれがある。決して他人事ではない。
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