2016年6月14日火曜日

IBTの話(7) 心理学志望を破す。

ユングさんです。
国費生のクラスの担任のS先生から、生徒たちが志望している学部・学科の説明をしてもらえないかとの依頼があった。聞くと、心理学に興味をもっている生徒が多いとのこと。うーん。実は、心理学は私が受験生に最も避けるよう言っているコースである。たしかに興味深い学問であるのだが、プロとして活躍する道は極めて狭い。まして留学生が学ぶことは難しい。

まずは、ウィキあたりに書かれているユング心理学の文章をコピーして読ませてみた。かなり難解な文章であるし、多くの生徒は「関西弁で言えば、こりゃあかん。」と、衝撃を受けたようだ。白雪姫コンプレックスやカインコンプレックスの話などもしたが、私は興味づけをするつもりなどない。プロとしてでなく、アマチュアとして教養として心理学を学ぶほうがはるかにいいことを伝えたのだった。

臨床心理士などカウンセリングを行えるようになるには、院も含めて6年の歳月が必要である。それも日本の資格である。マレーシアに帰ってくる国費生にとって、たとえ苦労してそういう資格を得たとしても、活かされる保証は、現在のところ、ないに等しい。そういうことならば、他の実利的な学問をして、その上で、教養として心理学を学んだほうがはるかに意味があると私は思うのだ。

国費生にとって、日本で学ぶということはどういうことなのか、改めて考える機会を与えたいと思う。

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