2015年11月2日月曜日

佐藤優・池上彰「新・戦争論」

イスラエルの無人機 ヘロン
「大世界史」を読み終えたので、その前に発行された佐藤優と池上彰の「新・戦争論」(文春新書・昨年11月20日発行)を読んでいる。順序が逆なのだが、先に「大世界史」を読んでしまったので、仕方がない。(笑)

まず、なにより衝撃的だったのが、佐藤優によるイスラエルの無人機の話である。アメリカ製の無人機の1/10の価格で、しかも小回りが利く。個別の家や個別の人間を攻撃するようにきめ細かに設計されている。標的の人間の顔写真を認識して、低空を飛び、標的を発見すると、ピーンと五寸釘を飛ばし、眉間に当てて顔が綺麗なまま殺すことが可能だという。イスラムの人々の間では、アメリカ製無人機のようにミサイル攻撃して爆殺してしまうと、その人間は死んだとは思われない。死体がなければならないのだという。ガザのハマスの指導者を、無人機が攻撃し始めた途端に停戦したという。ハマスの幹部もかなりこの無人機を恐れているわけだ。

…凄いな。五寸釘を眉間に打ち込むというのが怖い。だが、このイスラエルの無人機の存在意義は、簡単に打ち消せない。関係のない市井の人々を無差別には殺さないところは評価できるわけだ。同時にそこにいたる世界屈指のインテリジェンス能力を誇るモサドの存在抜きには語れないと私などは思うのだが…。とにかく、衝撃的な話だった。

http://toyokeizai.net/articles/-/60803

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