2010年6月3日木曜日

授業の横道/ボストンの茶会船


 現代社会の授業は、経済に突入した。経済の定義だとかをやった後、商業資本や産業資本の話におよんでいる。ふと、授業が横道にそれて(いつものことだが…。)、「東インド会社」の話になった。授業時間も残り少ないし、一発笑わせて終わることにした。ボストンにある茶会船博物館の話である。ボストンは、言うまでもなくアメリカ独立戦争の聖地である。フレンチ=インディアン戦争の戦費を本国イギリスがしぶったことから話は始まる。で、イギリスは戦費調達に、「茶」に課税してそれを賄うことにした。ヘービースモーカーの私にとって、煙草が1箱1000円になるようなものである。といって笑わせる。(これはあまり笑いごとではない。)頭にきた植民地人は、東インド会社の船に積まれた「茶」をインディアンを装って川に放り投げるのである。
 さて、この時と同型の船が今もボストンにある。<今日の画像参照>もちろんレプリカであるが、入場するとインディアンの羽をくれる。当時、私はアメリカ史に詳しくなかったので、「?」だった。後から、ジイサン・バアサンの集団が入ってきて、羽を頭につけ「WAOOOH!」などと盛り上がっている。この辺が実にアメリカである。当時の服装をしたスタッフ(彼の頭にはバッハとかモーツアルト風のカツラが乗っかってあった。)が、当然英語で、当時の植民地人風のアジテーションを始める。ジイサン・バアサンはやんやの喝采である。やがて、ジイサンが、このアジテーションを受けて、歴史にしたがって、茶箱を川に投げ捨てた。ちょっとびっくりしたのである。しかし茶箱にはロープがついていて、いちいち引き上げては、他のジイサンが投げる。また引き上げるという、なんとも子供じみた趣向なのだが、面白い。こういう体験型の博物館はアメリカらしい。私は大好きだ。授業では、この話をちょっと大げさにアレンジして話した。大爆笑である。最後の本当のオチは、本校の生活指導室(今は半分生徒会室だが…)に、このボストン茶会船を描いた絵が飾ってあることである。3年生ともなれば、一度は入ったことのある部屋である。何人かは、机を叩いて「ヘー!」と言ってくれた。ほとんどチャイムと同時であった。

 ところで、本校は全校で12クラスしかない小規模校である。職員室には、生徒の出欠が記される黒板がある。誰が欠席か、遅刻か、あるいは保健室で休んでいるか、一目瞭然である。ある生徒と放課後玄関で出会った。「今日、体調が悪かったようやなあ、大丈夫か?」と聞くと、「先生の授業があるから早退せず最後までいました。今日の授業も面白かったです。」という返事が返ってきた。心からありがたいと思うとともに、一期一会の授業、多少血糖値が高くても頑張っていこうと思った次第である。

3 件のコメント:

  1. 僕も先生の授業はなるだけ休まないようにしてました^^

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  2. ちどりはよく後ろの席でしゃべってました。
    相手は私です。

    …うそです。(笑)

    先生の授業が本当に懐かしいです。
    南高校生はみんなそう言いますが、高校生に戻りたいといつも思ってます。

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  3. うわぁー。びっくりした。ここのところコメントが寄せられなかったのに、急に60期生(私の担任したOB・OG)の登場である。コメントありがとう。

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