2010年3月1日月曜日

アフリカ開発経済学テキストⅠ


 本日「高校生のためのアフリカ開発経済学テキストV3.01」脱稿しました。全52ページ。昨夏に国際理解教育学会で発表したものと何点か改良したところがあります。まず、「詩」をイントロダクションで挿入したことです。ブルキナ在住のI氏に了解をいただき、まず「バナナ売りの少女」という詩をもとに生徒とアフリカを考えたいと思ったのです。

 西アフリカのブルキナファソ 
 毎日走るガーナへの道端に
 小さな弟を背負って 重そうに頭にたくさんのバナナを載せて
 毎日少女は立っている 一日中立ち尽くしているのだろうか
 初めはただ通りすぎるだけで気にも留めずにいた

 ある日少女に声をかけてバナナを買った 100フラン(約20円)で3本
 少女ははにかんだ仕草でにっこりと笑っていた
 私が学校へ言っているのと問いかけると 何も言わずほほえみがとだえた
 そのとき ふと、悪いことを聞いてしまったと思った
 
 それから毎日すれ違うたびにバナナを買う 
 少女のうれしそうな笑顔を見ると心が和む
 100フランを渡すと4本渡してくれる 
 そんなに利益は無いのにと思いながらバナナをかじる
 
 ある日少女はいない どうしたのだろう 色々な憶測が私の頭をよぎった

 約一週間少女はいつものように立っていた 
 道はまっすくなので遠くからでも見える
 良く見ると いつも一緒の弟がいない 弟はどうしたのと聞くと
 少女は微笑みが途絶えると同時に 目から大粒の涙があふれてきた
 ふと事情は聞くまいと思った

 あくる日また少女は立っていた 頭の上にたくさんのバナナを載せて
 私は黙って100フランを渡すと 
 いつものように はにかんだ仕草で微笑みながらバナナをくれた

 私は、このI氏とガーナに続くまっすぐな道<今回の写真はその道です>で、詩にあるような女の子や男の子に何度も会い、ゆで卵や地図や、ティッシュを買いました。その情景が浮かびます。
 涙なしでは、私は読めません。授業の時は生徒に読んでもらおうと思っています。
 読んだあとの設問です。気づいたことを書いてみよう。作者はどんな人か、考えてみよう。…今日は、ここまでにします。

1 件のコメント:

  1. 複雑ですね。私もこのような少女たちに会い、現地の運転手がハランベとは云わないでしょうが、商品(小さな赤い木の実でした)を買い占めているところに遭遇しました。私は買い占めるだけの持ち合わせがあるのにお金の使い方を知らないと一人赤面した覚えがあります。

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