2013年1月7日月曜日

朝日の「テルアビブから」を読む

テルアビブの朝
朝日新聞の中東アフリカ総局長・石合力氏の署名コラムが、今朝の朝刊に載っていた。「現代史と向き合う 内向きでいられる余裕はない」というのがタイトルだ。

昨年末にイスラエルで、蜷川幸雄・演出のアラブ系・ユダヤ系そして日本人の役者を使ってギリシア悲劇『トロイアの女たち』が上演されたらしい。その舞台稽古の話が面白い。トロイアが炎上し、奴隷として女たちが船に乗り込むシーンの初稽古。アラブ系、ユダヤ系の役者は、何度も振り返り、なかなか船に乗ろうとしない。それに比して日本人の役者はさっさと乗り込んだのだという。

蜷川氏は「彼らとは経験しているものが違う。」と言い、「現代史に向きあう」とも表現したという。3.11以後日本は激動の中東を含む世界の現代史にどこまで向き合ってきたのだろう。民主党政権下では、ついに首相の中東訪問はなかったし、外相がエジプトに一度来ただけだ。そもそも国会議員と地方首長の兼務論議をする前に、外相と議員の兼務が国益にかなうのかと、石合氏は吠えている。

燃える祖国を見てヘトロイヤの女・ヘカベがつぶやく台詞でコラムは〆られている。「アジアの中でひときわ光り輝いていたわが祖国、栄光に満ちたその名はまもなく消える。おまえは焼け落ち、私たちは奴隷として引かれてゆく」

…海外にいるからこそ、日本が見える。海外にでないと見えない日本がある。青年よ、書は捨てないでもいいから、日本から出(いで)よ。そして思索せよ。

2013年1月6日日曜日

『八重の桜』第1回を見た。

同志社大学の創立者・新島襄の妻、八重さんの大河ドラマがいよいよ始まった。幕末ものは『龍馬伝』以来になるが、第1回を見て、これから1年間続けて見ることにした。こういうドラマは、最初のつかみが大切である。

そのつかみとして「ならぬことはならぬ」という会津のモットーを出してきた。このコトバ、まるで、米国のニューハンプシャー州のモットー「自由に生きよ、しからずんば死を」と同様、その土地に住む人々の生きざまを象徴するものである。このドラマが南北戦争から始まったことはそういう意味合いもあるのではないかと思わせる。

この、伊達を始めとした東北諸藩に打ちこまれた江戸幕府の楔のような譜代大名である会津藩は、代々「松平」を名乗る。結局幕府に殉じることになる容保は、そもそも養子で、私の感覚でも、かなり良いヒトだった故に、その背負う十字架は重かったはずだ。

第1回目、そういう、会津人としての主人公のバックボーンをうまく描いていたと思うのだ。関西人のおっちゃんには、かわいい子役の会津弁は何を言っているのかよくわからなかったが、それがまた良かった。

もうひとつ、この主人公の所属する「家」は鉄砲や砲術に関わる家であり、それは幕末の動乱の中、日本の最先端・佐久間象山と結びつく。(早くも勝海舟も吉田松陰もからんできた。勝海舟は象山の門弟でありの義理の兄であるし、吉田松陰は象山の元から黒船に乗り込むことになる。)この辺は演劇的にうまく料理するのだろう。

ちなみに江戸城での開国決定シーンも、非常に演劇的な料理がされていた。水戸の斉昭の扇子の音が印象的だ。なかなか見事な演出だと思う。

幕末当時、最も封建的である会津。一方で最も先端的であった砲術の家。この背反するバックボーンをもつ主人公の少女期をうまく描いた第1回だったと言えるだろう。

2013年1月5日土曜日

ブルキナファソ政府の仲介 好

毎日新聞によると、昨年3月のクーデター以降、マリ北部のトゥアレグ人反政府勢力とイスラム原理主義が入り乱れ、西アフリカ諸国経済共同体の軍事介入も計画されている紛争で、ブルキナファソ政府が仲裁に入り、少しばかり進展がみられたようで、いいぞ、ブルキナファソ政府というわけだ。http://mainichi.jp/select/news/20130105k0000m030026000c.html

このマリ北部の反政府勢力は、トゥアレグ人の”MNLA”(世俗主義的:つまりイスラム原理主義ではないグループ)とアルジェリアを中心としたアルカイーダの組織(AQIN)に影響を受けたトゥアレグ人「主体」(つまり他の民族が参加している)の”アンサル・ディーン”が協力し合ってマリ政府に対抗していたのである。

先月、ブルキナファソ政府が仲介し、マリ政府、MNLA、アンサルディーンの三者が話し合い、国家分裂を防ぐことで合意したという。さらに、この話し合いの延長上で、アンサル・ディーンが、AQINが目指す国境を越えた聖戦とは方向性が異なると発言したというわけだ。彼らが目指すのは、トゥアレグ人社会のマリ北部での覇権にすぎないということらしい。

トゥアレグ人の分布と国境線
ともあれ、ブルキナファソ政府を始めとする周辺国の仲介で、平和的な解決が図れるかもしれない。調べてみると、私が訪れたブルキナファソの北部には、すでにトゥアレグ人の難民キャンプが、メンタオ・フェレリオと2つできている。ブルキナ政府も問題解決を一刻も早く解決したいところなのだった。

この辺は、ブルキナファソでも、トゥアレグ人が住んでいるところで、フランスが勝手にひいた国境線が、いかに混乱を助長しているかが、わかるわけだ。国境なき医師団が難民キャンプで頑張っているが、意地悪く見れば、フランスの贖罪(そもそもフランスの医師団によってNPO:国境なき医師団はつくられた。)的な意味合いもあるかもしれない。
フランスの『歴史問題』である。フランス政府はどんなことがあろうと、絶対認めないと思うけど…。
http://www.msf.or.jp/news/2012/03/5465.php

2013年1月4日金曜日

中央アフリカ 年末からの危機

年末から、中央アフリカ共和国の反政府勢力の連合体(セレカ)が首都の近郊の町に侵攻、中国人たちがあわてて脱出するわ、ガボンから仏軍空てい部隊がやってくるわで、大騒ぎになっている。うーん。中央アフリカ共和国の政権は、まさにクーデター・スパイラル。ほんと、なかなか政情が安定しない。

少し調べてみた。中央アフリカの資源はダイヤモンドもあるが、主たる資源としては木材である。ところが、見事に「内陸国の罠」にはまり経済成長がままならないことに、ガバナンスの悪さが拍車をかけ、最貧国グループから抜け出すことが容易ではない状況にある。
日本政府は、中央アフリカのPRSP(貧困削減戦略文書:支援を受ける上で、どのような国家戦略をもっているかを示す文書)の中でも「平和・ガバナンス・法の支配の促進」に注目したようで、UNDPと共に前回2011年の大統領選挙実施に資金協力している。同時に初等教育・人間の安全保障の分野の促進にも協力している。

貧しいから紛争が起こるのか。ガバナンスが悪いから貧しいのか。笑福亭鶴瓶の医薬品のCM(太りすぎと膝の痛み)ではないが、貧困と紛争を始めとしたアフリカの悪い部分の見本のような国なのだ。

ところで、中央アフリカ共和国の情報は、極めて少ないのだが、以前ここで土木工事を行っていた「てっちゃん」という方のHPがある。なかなか面白いし、大いに参考になるので紹介しておきたい。マラリアの話など最高だ。
http://www.tetchan.net/home/rca/index.html

2013年1月3日木曜日

正月スポーツTV観戦録

正月である。といっても我が家は相変わらず季節感のない家である。今日は所用があって妻と車で出かけたのだが、「そういえば”しめ縄のある家”をとんと見かけなくなったなあ。」我が家は枚方の新興住宅街にあるのだが、「旧村のほうならあるかもしれない。」と妻。うーん、そもそも我が地域自体が正月っぽくないのかもしれない。

と、なるとTVの中が正月ということになる。(笑)芸人にとっては、稼ぎ時なのだろう。そういうバラエティ番組が多い。意味もなく騒がしくて困る。こう言う時は、スポーツ番組にチャンネルを変える。

正月といえば、元旦の天皇杯サッカーであるが、ガンバ大阪は、結局優勝を逃してしまった。今季はJ2に落ちることになったし、応援していたのだが、まことに残念である。

そして箱根駅伝。暮れに本校のカイコ先生と箱根駅伝の話になった。カイコ先生は陸上部顧問。高校時代、長距離の選手だったのだ。(だから大阪マラソンなどのボランティア・スタッフである。)長距離の選手としては、どうしても関東の大学に行きたがるのだという。意味がよくわからなかったので調べてみたら、箱根駅伝は「地方大会」だということを知った。先日行われた出雲駅伝は全国大会だが歴史が浅いし、名古屋で行われる大学の全国大会もあるのだが、なんといっても「箱根」なのだという。だから、実績がある長距離選手は関東の大学に行って、「箱根」に挑戦するのだそうだ。ふーん。なるほど。「♪ なんてったて箱根~」と歌うしかない。
…私の周囲にも日体大出身の体育科教師は多い。今日は祝杯だろうなあ。

ところで正月といえば、関西では、花園の高校ラグビーだ。ラグビーの世界では、大阪府は三校も出場できる。といっても、その三校に入ることは至難の業である。これも不思議な話だったが、要するに、ラグビーは「番狂わせ」の少ないスポーツなのだ。強いものが勝つ。たとえば、高校野球なら、強豪校でも、投手の出来が悪かったら勝負の行くえはわからない。だが、ラグビーはやる前から勝敗は決まっているのだと言う。そう言っていたのは本校のラグビー部監督のM先生である。残酷なスポーツなのだとも。だからAシードとかBシードとかが決まっているのだ。もちろん、力が拮抗していれば、その結果はわからない。
大阪府予選で本校を破ったT大G高校を破り、全国大会に出場した常翔学園高校は、今日準決勝で京都の伏見工業高校になんと1点差で勝ったようだ。きっと生で見てたら鳥肌がたっただろうなあと思う。

2013年1月2日水曜日

忘れてはならないこと

シンポジウムの会場の記念館講堂
TVで、天皇陛下の一般参賀でのお言葉を聞いた。陛下が、常に東北の被災者の方々のことを、心のど真ん中においておられることがビンビン伝わってきた。

私は右翼でも左翼でもない。全くの中間派なのだが、昭和天皇に関して書かれた本を何冊か読んで、「天皇」の存在についての考え方がここ2~3年、変化してきた。昭和天皇は凄い人物だと思っているし、今上天皇の被災地への激励のお姿を見るにつけ、やはり凄い方だと思っている。陛下の被災地への想いは本当に深い。

さて、年末にメールを整理していた。宣伝や日経のニュースと、イカガワシイものばっかりである。(笑)私は、GmailとYahooのメルアドをもっているのだが、特にYahooはもうほとんど使わない。
そのYahooに重要なメールがきていた。某国立大学付属中等学校のM先生からの案内状添付メールだった。M先生の学校では「被災地は今 ~復興の現状と課題を知る~シンポジウム」を1月13日に開くらしい。主催は、学校の東日本大震災復興支援委員会という組織である。このシンポジウム、一般に開かれているわけではないのだが、関西圏の中高生で参加を希望する者は参加できるという。で、私に生徒を連れてきたらどう?というメールだったわけだ。間に合うかどうかわからないけれど、一応、新学期に声をかけてみるつもり。

産経新聞の記者による「被災地の現状と復興の課題~関西では知りえないもの・しかし知って欲しいこと(仮称)」という基調講演を受けて、小グループで意見交換を行うことになっている。

うーん、なかなか有意義なシンポジウムだ。…危うく埋もれてしまうところだった。

2013年1月1日火曜日

TICADⅤ 横浜の年に

結局大晦日の紅白歌合戦は見なかった。ナミビアからの訴えは成功したのだろうか。毎日新聞の元旦号では、「明日をひらくアフリカ」という4面刷の正月特集が組まれていた。そう、今年は、6月1日~3日、横浜で5年ぶりにTICADが開催される。
サブ・サハラ=アフリカの経済成長は、欧米や日本などの先進国と対比しても全体的に順調。アフリカが世界の中でも重要な市場と認められてきたことで、日本でもアフリカへの関心が盛り上がってきたようである。貧困や紛争だけのイメージだけでアフリカを語ることは、だんだん時代おくれになってきたわけだ。喜ばしい事実である。

とはいうものの、2013年。ミレニアム開発目標(MDGs)の期限、2015年まで、あとわずかに迫ってきた。アフリカの開発は着実に進んでいると言うものの、まだまだ『人間の安全保障』すらままならない地域もある。日本ができる協力はまだまだあるはずだ。単に資金を支援するだけでなく、これからもドミニカのLily君のように技術と人を中心に国際貢献して欲しいと思うのだ。

毎日新聞の元旦号の最後尾・32面に、ある企業の全面広告。北野武(ビートたけしではない。)が、こういうセリフを発信している。元旦にふさわしい、いいコピーだった。

「頼れる、しかも愛される」。
世界にとって、ドラえもんみたいな国に
なれるといいな、ニッポンは。

ブログの読者の皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。