2026年8月22日土曜日

SUZUKI in INDIA

https://www.youtube.com/watch?v=URCrMg5B3ps
生徒諸君に見てもらいたいと私が考えているYouTubeチャンネルは、日本の自動車会社であるSUZUKIのインドでのビジネスと国際協力の話である。アニメーションになっているので生徒諸君も見やすいと思う。我がブログの読者の皆さんにも是非見ていただきたいと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=URCrMg5B3ps

今回の授業では、HDI、サブ=サハラ・アフリカの4つの罠、サプライチェーンに組み込まれた中進国、金融と技術でリードする先進国の姿を伝えたが、このYouTubeでは、日本の関わり方が象徴的に描かれている。

SUZUKIがインドにインドに進出したのは、ビジネスである。ただ、他の先進国のメーカーのように単なる1つの市場としてインドを見たのではなく、インドという市場に合わせた車作りをした点で他を席巻した。インドの人々が購入できる価格に合わせて、しかも丈夫で雨にも悪路にも強い車を提供することに成功した。

当然ながら進出のメリットであるインドの労働賃金は安い。そのメリットは輸出することで多くの場合活かされる。だがSUZUKIは、国内需要にしぼり、消費を生み出した。工場建設を進めたわけだが、自動車工業は、部品の集積が重要である。インド国内にそういう様々な部品工場も生まれ、雇用を生んでいき、技術力も上がり、やがて彼らが消費者となってくれるというサイクルが生まれるわけだ。

一方で、カースト制度を工場内で打破していく。副社長自ら労働者と同じ食堂でランチを取るというのは、現地人幹部を戸惑わせる。インドのカースト制度(ジャーティといった方が正確だが…)では、上位の者が下位の者と食事をするとその穢れが伝染ると信じられてきたからである。しかし、この大きな大きなタブーを破ったことで、生産性は4倍になったという。これは伝統の破壊というより、覚醒であろう。

女性の地位向上にも働きかける。牛糞を集めるのは女性の仕事であるが、その牛糞を買い取ってガスに変え再利用する戦略をSUZUKIは取っていく。そのおかげで女性は現金収入を得て、やがて地位向上に結びついていったのである。ちなみに、インドの牛の数は世界最多である。

飲料水が安全基準値を越えた地には、ろ過装置付きの水販売機を設置していく。企業利益の還元のひとつだが、無料にはしない。1リットル0.2円という少額だが、あえて無料にはせず管理を地域に任せるカタチを取っている。

JICAの国際協力のテーゼは、”魚を与えるのではなく、釣り方を教える”というものである。SUZUKIが行っているビジネスと国際協力の融合は、この日本の国際協力のテーゼに従っている。インドの人々に寄り添いながら、これからも”魚の釣り方”をどんどん模索していくのではないかと私が思う。

生徒諸君には、こういう日本の姿勢を知ってもらい、世界の構造的暴力に対して、自分が何をできるのか、高校生という純粋な時期に考えて欲しいと思っている。

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