2023年2月4日土曜日

資本主義のオルタナティヴ2

http://honkawa2.sakura.ne.jp/5410.html
以前、ある理系の人と話をしていて衝撃的という表現を使うほどに驚いたことがある。これからの地球の問題について、資源にせよ、環境にせよ、解決の糸口は、人口の削減ではないかという主張であった。社会科学系の(いや人部学系といったほうがいいかもしれない)人間である私などからすると、想像すらできない主張だった。人口増加は大前提であるからだ。医療の進歩や食糧増産による人口支持率の向上は、善であるという立場で常にモノを考えている。人口削減政策などあってはならないからだ。

今回、「資本主義のオルタナティヴ」という問題を考える場合、限られた地球の資源、AI化が進んで雇用が減少することなどを鑑みて、人口削減という政策目標が存在する可能性は否定できない。

近代国家・民主主義というのは、資本主義を発展させるための装置という一面がある。「答えのない世界に立ち向かう哲学講座」では、ミルの「他者危害制」(または自己決定原則)やロックの「身体自由論」「労働自由論」といった、民主主義化における経済の自由が語られている。他者に迷惑をかけなければ何をやっても自由だし、それによって得たものは自分のもの(=財産権)であるという民主主義の原則は、近代国家・資本主義の原則であるわけだ。ところで、2000年現在で世界の最も大きな経済主体をランキングすると、トップ100の中で、企業が51、国家(GDP)が49となり、多国籍企業が席巻してしまっているとか。国家がトップにあり、企業がその中におかれ、国民がいるというイメージは、すでに過去のものになっている。資本主義はグローバル化している。

…グローバル企業と、国際金融資本は、ある意味で、国家という装置を必要としていないように思われる。国家には、必ず国益が存在するが、グルーバル企業や国際金融資本にとっては、無用に思えている可能性が高い。2015年以降、グローバル資本主義的な利益が重視され、国家・国益を重視する政治家への失脚工作が行われているのではないか。昨日エントリーしたエルドアン、プーチン、そしてトランプ、安倍…。

…しかも、コロコロやW、ウクライナ紛争など、人口削減を人為的に行っている可能性さえ、否定できない。グローバル資本主義のオルタナティヴは、国家の消滅と人口削減にあるような気がしてならない。重ねて言いたいが、社会科学系&人文学系の私としては、ありえない、衝撃的オルタナティヴなのである。

…今回の画像(拡大可能)は、2022年12月現在の企業ランキングと題されたグラフ。これが資産総額なのかは不明。単純に他年度の名目GDPと較べていいものかわからないが、最上位・アップルは、8位のカナダと9位のイタリアの間に位置している。また50位のポルトガルは、企業で33位のバンク・オブ・アメリカの上に位置する。「答えのない世界に立ち向かう哲学講座」の2000年の統計の比較とは少し違うが、グローバル資本主義の説明としては問題ないと思うので、そのまま記載しておく。

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