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映画「HOKUSAI」を見てきた。妻が枚方市立図書館でポスターを見て行こうと言い出したのだ。妻は北斎が大好きで、しかも主演の舞踏家のファンである。枚方市駅の近くの関西医大のホールで今日だけ上映、入場料は1000円。高齢者を中心に1200席が満席だった。
物語は、浮世絵の版元の蔦屋が手入れを受ける場面からショッキングに始まる。町人文化への弾圧である。歌麿や写楽を世に出した蔦屋が、見込んでいたのが後の北斎である。青年期の北斎の芸術家としての葛藤をリアルに描いている。暗闇の中のライティングの演出がいい。この演出は最後まで俊逸である。壁を乗り越えた北斎は、富嶽三十六景へとたどり着く。一方、弾圧は続き、自分の表現したいことを表現できないことへの鬱勃としたパトスを北斎や仲間の武家の作家は抱いているが、ついに武家の作家はその犠牲となってしまう。彼の死を絵で表現せざるをえない北斎。江戸を離れ、昔の弟子のもとで、思いをぶつける作品を完成させる、というのが大まかなストーリーである。
表現の自由は、権力者からは実に厄介なものなのであろう。この「HOKUSAI」において描かれたテーマは、現在でも全く同様である。
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