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先日、アフガンでテロを起こしたのは、ISISKだと言われている。IS自体は、シリアからイラクにかけて占拠していた地域を失い、カリフも姿を消している、しかしIS自体は世界各地に分散し存続しているようだ。
ところで、ブルキナファソの北部(すなわちサヘル地帯である)では、このところ金の採掘が盛んに行われている。外国資本の大規模な採掘現場もあるが、手掘りでやっているものが多いらしい。これまで、ブルキナファソの輸出品は、綿花ぐらいであったが、2020年には金が首位(なんど70%)に躍り出た。鉱業相によると年間50tが生産されているという。
問題は、この金の一部がISの資金源になっているようなのだ。ISが手掘りの採掘現場を押さえ、逆らう者を殺害し資金源にしているらしいのである。この金は、隣国トーゴに密輸されている。トーゴの鉱業相は、年間数十㎏しか取れないだろうと推測するが、実際”トーゴ産”として15tもの金がスイスに運ばれている。どれくらいがISの資金になっているのかは不明だが、決して少なくないはずだ。
かつて、ポール・コリアが、”資源の罠”や”紛争の罠”の理論を提唱した。最貧国ブルキナファソにとって、この金採掘は、たとえデモクレイジー(政府の独裁強化)に利用されなかったとしても、”紛争の罠”の呼び水となりうるようだ。北部に資金の豊かなISの拠点が出来つつあるのである。
”紛争の罠”で重要なのは、明日をも知れぬ貧困が、若い兵士を巻き込んでいくことである。ISなどの兵士になる方がまだマシと思う若者が存在する限り、”紛争の罠”は収まらない。ブルキナファソは、宗教的な対立のない平和な国である。最新のデータで、ムスリムが60.5%、キリスト教23.2%(カトリック19%、プロテスタント4.2%)となっている。実際に行って驚いたのは、墓地まで共存していたことである。それが、ISの浸透によってどう変化するか、不安でならない。特に、荒熊さんとフィールドワークした際に、ストリートチルドレンとあまり変わらないクルアーン学校の生徒たちが巻き込まれないか心配だ。
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