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このオッカムは、新プラトン派の影響か、アリストテレスの自然哲学も注釈した人物で、理性によって神の存在を理解しようとしていたようだ。当時のローマ教皇から異端として破門され、ミュンヘンに逃れ、そこでペストで死んでいる。
立花隆は、ここで「文章を書く際の指針」という表現を使っている。この本は、オッカムの剃刀で切り落とすべき部分を切り落としているのだとの宣言である。それはこの本の論旨もそうだし、文章表現についても言える。今回、久しぶりに立花隆を読んで、その読みやすい文章表現に感服した。広瀬隆の対蹠点にある”読みやすさ”である。
さて、このオッカムの剃刀、無意識ながら私も使っている。最も分かりやすいのは、自分の評伝をエントリーした際、最後にはからずも書いたとおりである。また、大学の志望理由書などを生徒に書かせる場合も無意識に使っている。制限字数の中でまとめ上げるために、実に重要なことである。
さて、立花隆は再入学した東大哲学科で、ヴィトゲンシュタインが最も面白かったと言っている。当時まだ知られていなかったヴィトゲンシュタインの分析哲学に魅せられ、古代・中世への耽溺から、現代の知に引き戻されたらしい。一方、ヴィトゲンシュタインには、有名な名言がある。「語りえぬことについて沈黙しなくてはならない。(Wovon man nicht sprechen kann, darűber muss man schweigen.)」この言葉を終盤、死生観のところで使っている。この死生観の話は、後述したいと思う。
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