2020年9月17日木曜日

欧州への移民流入から5年

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53973531

 シリア難民がトルコ経由、ギリシアからバルカン半島を超え、ドイツやスウェーデンを目指し大きな注目を集めてから5年。BBCの「移民は欧州をどう変えたのか―大規模流入から5年」というWEB記事を読んだ。移民の報道も最近はすっかり息をひそめてしまったので、貴重な記事であると思う。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53973531

バルカンルートが2016年3月に閉鎖宣言され、その数週間後にEUとトルコの合意が最も効果的に移民の流れを止めた。ギリシアの島々に到着したシリア難民をトルコが引き取り直せばEUは数十億ユーロ規模の支援を行うというものである。結局のところ、EUは札束でこの移民の流れを止めたわけだ。

ドイツやスウェーデンで、難民は苦労している。雇用、住宅、教育…。シリアなどで得た学位は、そのまま通用しなかった移民も多い。

一方で、多くの国で、ナショナリズム政党が台頭している。イタリア、オーストリア、ハンガリー、そしてスウェーデンでも。

うまくいっている地域もある。問題は山積みではあるが、根を張りつつある。トルコで安穏を得た者もいるようだ。

…多くの人々の証言が次々と出てくる記事だったが、整理するとこんな感じかなと思う。シリア難民の大量流入。共感と共存の間にある様々な問題は、ある程度想定できるものもあったが、今なお社会問題化しているのが現状のようだ。EUが札束でトルコを懐柔し、その流れを止めたことを批判するむきもあるだろうが、現実的な対応であると思う。

…一方で、EU、特に英仏は、歴史的に中東の問題解決に責任を果たす義務があるように思う。これは、日本の隣国のような「作られた歴史問題」ではない。周知の歴史問題だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿