愛媛県の最南端に愛南町というところがある。ここに、紫電改展示館がある。愛南町沖の海底にあった機体を引き上げ修復したものである。1945年7月24日豊後水道上空で3倍」の米軍機と交戦し、10分たらずで16機を撃墜したが、6機が未帰還、そのうちの1機だという。そもそも紫電改は、今の松山空港を基地として、源田実が精鋭を集め海軍343部隊(剣部隊)をつくったことに始まる。(後に長崎・大村に移動)この辺は、愛読していたちばてつやの漫画「紫電改のタカ」にも出てくる。局地迎撃用の戦闘機として、活躍期間は短かったが、ゼロ戦より強いし(20㎜機関砲と自動空戦フラップで旋回性能が良いことが最大の原因)、何より旧日本軍機の中で最も美しい機体だと私は思う。
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343部隊の展示 菅野大尉は「紫電改のタカ」にも登場したと記憶する(拡大できます) |
と、いうわけで、今日宇和島経由で愛南町まで行ってきた。展示館自体は決して大きなものでないが、素晴らしい。この日本唯一の紫電改は、海中にあり、フジツボだらけであったものが修復されており、往年の塗装もされて機体自体の美しさはよくわかる。だが、プロペラは曲がっている。あえてその辺はそのままにされている。戦争の悲惨さ、平和への想いが伝わる。前述の未帰還の6名のプロフィール、遺族のコメントなども展示されており、お一人おひとりの短き人生をも顧みることができる。終戦記念日も近いが、こういう先人の存在を侵略戦争というゼロ記号で無視することは間違っているように思う。
なお、紫電改は日本ではここ愛南町のみにある。ただ無事に生き残った紫電改は、アメリカに接収され、3機だけ残存しているそうだ。まずメリーランド州のスミソニアン航空宇宙博物館/別館(ワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館に入りきれない機体を保存しているところ)、オハイオ州デイトンの空軍博物館、フロリダ州・ペンサコーラの海軍航空博物館にあるという。そうか。ワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館(本館)は3回行ったが、ゼロ戦の展示はされていても紫電改はなかった。もう、歳だけれど、コロナ禍が去ったら、これらの博物館を回りたいなと思う。一時期、デイトン行きのプランニングをしたこともあるのだけれど、そのままになっている。今回の愛南町行・紫電改との出会いは昔の夢を思い起こしてくれたのだった。
ともあれ、今日はいい1日だった。蛇足になるが、ミュージアムショップ(というか
コーナー)で、343(部隊)とSHIDEN=KAIの文字が胸に描かれたポロシャツを購入した。これを着て、いつかデイトンやペンサコーラに行きたいな。
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