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インド財務省の経済白書で、同国の1人あたりの実質GDPは、過去37年間・毎年4.5%増加しているという。購買力平価で、2050年には、世界で第2位(1位は中国・3位は米国)となるだろうと予測されている。同白書によると、経済発展の要因として、社会主義を捨て「開かれた貿易やより開かれた資本市場、そして民間部門重視の姿勢」を挙げている。しかし、インドの民主化に経済発展が追いついていないとしている。
マーティン・ウルフ氏は、重要な課題として3つ、短期的な課題として1つを挙げている。第1は、教育問題。インドでは各州が教育に責任をもつとされ、モディ政権は各州が競い合う「競争的連邦主義」を打ち出してはいるが、まだまだ十分に機能していないこと。第2は、環境問題である。都市化が急激に進み、人口集中が進む中、化石燃料の利用を大幅に増やさずにいかに発展していくかが重要であること。第3は外部環境である。インドの財やサービスの輸出は10年で倍増するだろうが、現在世界で起きている反グローバル化の動きが大きな懸念材料である、というわけだ。短期的な問題は、低調な投資問題。企業の借金依存や不良債権が投資や成長の妨げになっている。金融システムの抜本的な改革が急がれるとのこと。なるほど。アフリカ開発経済学をかじっている者としては、よく理解できる。
…私はインドの思想・哲学・宗教には人一倍興味をもってきたが、政治経済については、これまでほとんど見聞きしなかった。これを機会に改めねばと思った次第。
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