国費生の日本語の授業では、研究発表が行われている。今週は毎日5限目がその発表である。テーマは「代表的な日本人」である。アイウエオ順(敬称略)に、イチロー、緒方貞子、杉原千畝、津田梅子、中村修二、新渡戸稲造、本田宗一郎、松下幸之助、水谷修、向井千秋、湯川秀樹…。この選定作業に私も入ったのだが、強く押したのは、「緒方貞子」「新渡戸稲造」である。(1月6日付ブログ参照)日本語のT先生もS先生も、女性であるので、文系は女子学生も多いことから津田梅子や向井千秋も入れたいとのことだった。3/11人が、多いかどうかは難しいところだ。
昨日の「緒方貞子」の発表は、なかなかよかった。私が提示したアマルティア=センと緒方貞子氏の設定した基本概念「人間の安全保障」も十分に入れてくれていたし、日本人を超えた「地球市民」としての像が浮き彫りになっていたように思う。今日は、杉原千畝氏と津田梅子氏であった。両者とも指導したグループである。これまた、実によくできた発表だった。
日本のシンドラーと題して、杉原千畝氏の紹介。様々な顕彰も紹介していて、敦賀のムぜウムの話も出てきた。質問で、「杉原氏はユダヤ教徒になったのか?」と熱心なムスリムのB君が聞いたのが面白かった。千畝氏はユダヤ教徒ではないが、日本でこのユダヤ難民のビザ延長などに尽力した人物で、小辻節三氏は、(満州にユダヤ人を呼ぶという国策のため)ユダヤの専門家で後に改宗、高位の聖職者(ラバイ)となり、エルサレム近郊に墓がある。私なら、そう答えたところだ。(笑)
津田梅子氏の方は「良妻賢母」をキーワードに、これまた、よくまとめられていた。またまたB君が、「あなたは、妻に良妻賢母であることを求めるか?」と言う質問をした。シャリーアに、そのような規定があるのかもしれない。だが、もっぱら興味は彼ら(グループには3人の男子学生がいた。)がどう答えるか?に移っていた。(笑)彼らも青春真っ盛り。やはり男女の恋愛は重要な関心事なのだろう。大いに盛り上がったのだった。意外にも?基本的に、女性の自由を尊重するという意見が多かった。
国費の文系Cクラスの次の授業は金曜日だが、気づいたことを話しておこうと思う。ちなみに今日の画像は、小辻節三のことを書いた「命のビザを繋いだ男」である。
2017年1月17日火曜日
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