ヴィシュヌ神の第二の化身 亀のクールマ |
人間は、母親の体内にある十ヶ月で生命の進化の過程を再現しながら成長するという。だから、人間の脳には、爬虫類脳と哺乳類脳と人間脳の三種類があるそうだ。
この中で、最も働くのが生存をすかさどる爬虫類脳だという。ただし、この脳は本能的で攻撃的である。以下のWEBでは、ドラえもんのキャラを使って極めてわかりやすく解説してくれている。
http://xn--u9j9edet7q9c3hl649bundou2e.net/archives/161
さてさて、中国の北京で「雷洋事件」と呼ばれる警官による殺人事件に関するWEB記事が載っていることを妻が昨日教えてくれた。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50585
この事件が本当かどうか、私には確認しようがないけれど、もし本当ならこの何倍もの同様の事件が起こっているに違いない。雷洋氏はインテリなので、仲間が立ち上がり、「秒柵」(ネット上の記事が当局に消去されるという流行語らしい。)されようとも、怒りを発信しているからだ。
私は、思わず「爬虫類脳」的な所業である、と感じた。たしかに多くの中国の人々が怒っているように法治国家とは言い難い。私は、何度かエントリーしているように、基本的に中国の社会類型(下部に自由な個人、権力を握る上部に不自由な共同体という構造になっている。)と、人口圧(人口が多い故に、どうしても自己中心的にならざるを得ない状況)から見て、強権で押さえつける政治体制が、絶対的な否だとは考えていない。欧米的な論理だけで中国を判断するのは間違っていると思っている。もちろん、人間の安全保障の観点から、基本的人権は認められるべきであるが、あれだけのエネルギーのある膨大な人々を制御するシステムが必要悪として存在せざるを得ないと思っている。ただ、権力側が爬虫類脳で動くと、それは大きな爬虫類的反動を呼びこむのは当然の理である。
このような事件が起こっているという事は、中国は、かなり危機的な状況にあると思う。このまま行くと中国政府は、国内の不満をもっと他に向けなければならなくなる。一方、アメリカのトランプ新政権は、極めて理解しがたい、それこそ爬虫類脳的なナショナリズムに回帰しているし、中国外交で強硬に対処する可能性も高い。中国の国内問題の不満を対アメリカ(これは同時に日本も含まれる。)に向ける可能性も強い。由々しき事態だ。
ところで、別のWEBの記事。ホーキング博士の警告である。経済格差が広がり、EUを離脱させたりトランプを大統領に選んだ人々の怒りを考察したもの。インターネットの普及で豊かな暮らしをする人々の生活を見せつけられている人々は、不平等の克服や、移民を求めるがその門が閉ざされている。そういう非エリートの怒りが、これからさらに増幅するという危惧である。ホーキング博士の意見に私は大いに賛同する次第である。
http://gigazine.net/news/20161205-stephen-hawking-concern/
今、世界に必要なのは、ポピュリズムでもなく、ナショナリズムでもなく、すなわち、爬虫類脳ではない、人間脳を働かす地球市民のスタンスである。
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