ちょうどバスの車中で、「国家と対峙するイスラーム」(塩崎悠輝著・作品社/2016年6月発行)を読んでいて、クアラルンプールなど連邦直轄区のシャリーア刑法の第14条に、「男性の金曜礼拝への欠席が理由無く3週間続くこと。」というのがあることを知った。この辺の詳細については後述するとして、この本を読んで、国費の学生に聞きたいことが山ほどあった。授業の合間に質問することもよくある。まさに”学生から学”んでいるわけだ。(笑)
1つは、「チェラマ」である。チェラマというのは、マレーシアのムスリムの公共圏のひとつである。公共圏とは、ハーバーマスが言い出した世論形成のための空間である。もちろん欧米社会のそれとは一線を画しているが、マレーシアでは、1970年代以降のダァワ運動(イスラムへの回帰や社会規範として取り入れようとする運動)が起こり、ウスラ(家族)やハラカ(円座)といわれる少人数の定期的な集まりがあったり、チェラマ(法話)とよばれる説法の集いがあるとのこと。学生たちは、こういう集いに参加しているのだろうか?というのが私の疑問だった。彼らの答えは、任意で参加します、とのことだった。よく行く学生もいれば、あまり参加しない学生もいるとのこと。ここでは、政治的な話も出るらしい。(マレーシアでは21歳から選挙権が与えられる。)日本人は、ステレオ的に、イスラームとは直訳すると「神に服従する」だし、なにやらガチガチのルールに縛られた生活をイメージしがちだが、彼らの自由度は意外に高いのである。「チェラマ」も行きたければ行くわけだし、金曜礼拝も理由があれば休んでいいし、(連続2回までなら)サボってもいいわけだ。
シャーフィイー派法学についても聞いてみた。もちろんIBTの学生は、イスラム法学の徒(そういう学校や大学もマレーシアにはある)ではないので、他の法学派との相違までは明確には答えられないけれど、たとえば女性の服装では足を見せてはいけないという規範があるそうだ。うーん、まだまだ研究していかなければ…。
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