先日、マレーシアの下町と言われるマスジッド・ジャメ周辺を歩いたが、今回はさらにその北にあるチョウキット周辺をあるいてみようということになった。旧正月で、華人の店は閉まっているが、マレー系、インド系は関係がないからだ。「地球の歩き方」の地図を調べていた妻が、「シク寺院って書いてあるで。近いで。」と言い出した。おお。シーク教の寺院があるらしい。中に入れるかはともかく、宗教学の徒としては、是非とも行ってみたい。と、いうわけで、またまた650番のバスで出かけたのである。今回は、セントラル駅で降りて、モノレールの「チョウキット」駅(終点の1つ手前である。)まで一気に向かうことにした。
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シーク教寺院の外観 |
チョウキットは、高床式の古い住宅が残っていたりして、なかなか趣のある町だった。(上記画像参照)少し迷ったが、マレーのおじさんがシーク教の寺院への行き方を教えてくれた。なんとなく入れそうな雰囲気だった。入り口にいた人が、「入ってもいいよ。」と言ってくれたのだった。超ラッキーである。ただし、裸足になること、手を洗い清めること、さらに妻にはスカーフ、私にはバンダナを被ることが条件だった。うーん、シナゴーグでキッパは何度か被ったが、シーク教ではバンダナを被るのである。1階(日本で言う2階)が礼拝場だった。入り口から絨毯がまっすぐひかれ、その先に祭壇というか、天蓋のあるベッドのような場所があって、宗教者指導者らしきおじいさんがいた。そこで礼拝をするようだ。ここまで導いてくれた若者は、賽銭箱にRM1札を入れ、イスラムに似た礼拝をしていた。そして、ヒンドゥー教のように、その周囲を回ってさらに礼拝。シーク教は、イスラムとヒンドゥーの中間的な宗教だという意味がわかる。礼拝者が礼拝するたびに、宗教指導者のおじいさんは、扇子のような、いやハタキのような道具で祝福をしている風に見えた。その一方で、右の一角でパワーポイントを使って説教が行われていた。
後で、調べると、ちょうど週に1度の礼拝の時間(11時くらいから)だったようだ。礼拝の対象は、ユダヤ教のトーラーのように経典であることがわかった。またグランドフロア(日本で言う1階)は食堂になっていたが、これは無料で食事が振る舞われるとのこと。ヒンドゥー教のジャーティ(日本で言われるカースト制度)では、身分の違う者同士は一緒に食事をしないが、それへの批判であるらしい。シーク教もなかなか興味深い。
マレーシアのシーク教徒は、穏やかである。異教徒の私たちにも、容易に笑顔を返してくれる。今までの経験では考えられない。いやあ、なかなか貴重な体験をしたのだった。
その後、有名なチョウキットの市場を覗いた。噂通り牛の頭や羊の頭ごと売っていた。さすがに写真は撮れなかった。シーク教の寺院内と同じで、あまり興味本位的な写真を撮って喜ぶのは多文化理解を教える身としてはふさわしくないような気がしたのだった。
さらに、先日歩いたトゥンクアブ・トゥル・ラーマン通りの屋台街を南下した。先日より屋台が少ない。おそらく華人の屋台が出ていないからだと思われる。客も、もちろんマレー系かインド系のみ。前回買ったプリンがおいしかったので、また買おうと言っていたのだが結局出ていなかった。かわりに購入したのが、RM5のマンゴー牛乳。これがすこぶる美味で、スムージー状で冷たくて、暑い中歩いてきた我が夫婦には、まさに「生き返った感があるほどの絶品」(妻の言)だった。
インド人街の日本食レストランで、昼食をとった。最近出店したばかりの店で日本人オーナー夫妻の苦労話つき。(笑)私は天丼、妻はお好み焼き。なかなか美味しかった。このあたりは、日本人もいないし、華人も少ないので、日本食レストランが成功するかは未知数。大変そうだ。是非頑張って欲しいと思う。…そんなこんなの「ふれあい街歩き」であった。
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