2014年11月1日土曜日

毎日 カナダの国是は多民族融和

昨日の毎日新聞の「金言」(西川恵客員編集委員)に、カナダの国是は多民族協和であるとあった。なるほどと思ったので、エントリーしておきたい。今月10日から北京で首脳会議が開かれるが、11日に戦没者追悼記念日があり、ハーバー首相は自国で過ごしたいと欠席を決定した。いかにカナダが、先日の議事堂の事件を深刻に受け止めているかがわかる、というのである。

アメリカとカナダは、行ってみると明らかに違う。おとなしいアメリカ人とカナダ人を評することもあるが、カナダ人は極めてアメリカ人と見られることを嫌う傾向がある。カナダ人ALTの多くがそうだった。

これはどうやら同じ多民族国家・移民国家でありながら、その歴史に関わる問題らしい。カナダはフランス人がケベックに入植した。後にイギリスが入植、争いの果てにイギリス領となった。アメリカのほうは、南部はイギリスの貴族階級のコロニー、北部は主に宗教的な理由でイギリスから脱出してきた感が強い。結局本国の植民地政策に独立戦争で対抗した歴史を持つ。アメリカが、カナダ諸州に独立を呼びかけたこともあるそうだ。だが、カナダはイギリス王室と関係維持を決める。カナダ人歴史家は、「カナダは欧州との結びつきを強めることに、アメリカは欧州と断絶することに国づくりの理念を求めた。方向は正反対だ。」と指摘している。競争や効率一辺倒だけではない寛容の精神がカナダ社会にあるのは、底に欧州の精神が流れているからだという。

3500万人の人口のカナダは、毎年25万人の移民を受け入れている。多民族融和と多文化主義は、国の安定の上でも国是となっている。「社会のちょっとした緊張も見逃さず、すぐ手を打つことが大切だ。」とは民族問題を担当する大臣が来日時に語った言葉である。私立学校で、ユダヤ人生徒がキッパをかぶるのを禁じた際も政府がすぐ間に入って学校に撤回させたという。

今回の議事堂事件は、寛容な社会の土台を揺さぶる事件である。戦没者追悼記念日は、多民族融和と多文化主義を再認識する日になるだろうと西川氏は結んでいる。

…私が、よく実践するアクテビィティに「ウーリー・シンキング」がある。これは、様々な概念が互いに結びついている事を再認識するものだ。カナダ生まれのアクティビティである。「金言」の内容で妙に納得したのであった。

…今日の画像は、wooly thinking school で検索して見つけたもの。カナダの地理の先生のブログの画像でウーリーシンキング実践の様子。他にも私と同じようなアクティビティでの実践をされていることに、強い親近感を覚えたのだった。
http://edcp432.wordpress.com/

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