2013年6月12日水曜日

シャラポワっていいなと思う。

昨日、何気なくTVを見ていたら、マリア・シャラポワ選手のストーリーをやっていた。私は昔々少しだけテニスを嗜んだことがあり、テニスは楽しいとは思うけれど、今はやっていないし、特に興味があるというわけではない。
まして、プロテニスプレイヤーについては無知である。シャラポワ選手は、スラブ女性の美しさを体現した選手くらいの認識しかなかった。だが、彼女の人生はとてつもなく凄いものだったのだ。

そもそも、シャラポワ選手は、本当ならベラルーシ人である。ところがチェルノブイリの事故が起こり、彼女を身ごもっていた母を避難させるため、父がシベリアに移住した。そこで誕生したところから、彼女はロシア人となったわけだ。放射能による健康不安を跳ね返し、元気に生まれたシャラポワ選手であったが、その生活はかなり苦しかったらしい。父の楽しみは唯一テニスで、興味をもった彼女にテニスを教え込むことが生きがいとなった。なかなか才能があると気付いた父は、そこから彼女の才能を信じ、モスクワのテニススクールに連れていったり、ついには英語も話せないのにアメリカのテニススクールにまで彼女を連れていく。もちろん、星一徹も真っ青の頑張りで、全てを娘ために捧げるのだ。やがて、彼女は特待生となり、ジュニア選手ながら高額で契約することになる。全ての苦労が報われるのだ。その後の活躍も素晴らしい。父も凄いが、やはりシャラポワ選手自身も凄い。チェルノブイリの事故が彼女を作ったわけだ。先の大震災の時も、福島の被災者の方のために飛んできた。彼女にとって原発事故は他人ごとではないのだ。今更ながら、ファンになってしまった。

ところで、超有名な開発経済学者・アマルティア=センは、貧困を潜在能力を生かす機会が与えられない状態だと規定している。父の驚異的な頑張りがなければ、今のシャラポワ選手はなかったのだ。センの規定の正しさを改めて再認識したのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿