2013年6月10日月曜日

ローマの内乱の1世紀を考える

グラックス兄弟
世界史Bは、ローマの内乱の1世紀の話になっている。ポエニ戦争で勝ったローマは、ギリシアやマケドニアに攻め込み戦争を拡大していく。そのために自作農の平民が重層歩兵として長い間兵役につく。その結果、残された家族だけで耕地を耕せなくなり、貴族がこの自作農の土地を購入していくわけだ。ラテフンディアだ。属州から奴隷はどんどん供給されるし、労働力には事欠かない。自作農民の家族は「遊民」となり、これまた属州らの農産物供給でパンとサーカスの日々を送るようになる。

ローマにとっての最大の問題は、ローマ軍=自作農民の武器自弁による重層歩兵という法則が、崩れていくのだ。ここで、生徒に質問を投げかける。「どうすればいいかなあ?このままだと、ローマ軍が崩壊するぞお。」社会科の授業は決して暗記科目ではない。ここで、じっくり生徒に考えさせたいところだ。「答えは、およそ2つあるぞぉ。」「…。」真面目な生徒が答えた。「もういちど自作農にもどしたらいいと思います。」「おお。それがスジやわなあ。」他の生徒の意見。「武器を与えたらいいと思います。」「おお。誰が与えるの?」「貴族。」「なるほど。」

と、いうわけで、スジ論の方は、護民官グラックス兄弟の政策。武器を与えるのは私兵化を進めたスラやマリウスの立場である。と、説明をしていく。

こういう掛け合いで、生徒に考えさせながら世界史を学ばせていきたいといつも思っている。今日はうまくいったかな。

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