2013年6月21日金曜日

ルネ・マグリット「光の帝国」

光の帝国
先日、日経の最終面の文化欄に、ルネ・マグリットの「光の帝国」について書かれていた。青空の美しい絵画について語るというシリーズのひとつなのだが、なかなかいい。ルネ・マグリットは、シュールレアリズムに分類される画家であるが、ダリほど人格的にも絵画的にも「毒」がないので、さわやかにシュールである。(笑)
私は、今でこそ社会科教師だが、高校時代はデザイン科だったので、一応美術史については詳しいと思っている。当時のクラスの仲間うちでも、やはりシュールレアリズムは人気があって、中でもダリが一番人気。うちの妻は同級生なので、そういう絵画については今でも話があう。シュールではマグリットが二番人気かなと思う。昨夏のイスラエルに行った時、博物館でマグリットの作品が展示してあって、大いに二人で感激したりした。
キリコの代表作
一方、マグリットに大きな影響を与えたとされるジョルジョ・デ・キリコなども、当時人気で、高校1年の時に、京都の美術館に見に行った。その年の文化祭では、クラスで壊れたバスケットボールの野外ゴールを使い、高さ5mのキリコ風の張りぼてを作ったこともある。(笑)キリコの絵も独特の趣があって面白い。私は彼のグラデーション的空の表現が好き。よく真似をしたものだ。

おっと、大きく話がずれてしまった。マグリットのこの作品の主題、夜景と青空の共存。このありえない共存に面白さがある。マグリットの意図したところはよくわからないが、あくまで感性の問題。哲学的には、ポストモダンな再構築だが、そんなに深刻に見る必要もない。そこに不思議な美が構築されていればそれでいいのだ。

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