少し前、秋田市立秋田商業高校のO先生に、「高校生のための地球環境入門」を贈呈という形で送っていただいた。秋田商業高校は、昨年大震災直後に行かせていただいたユネスコスクールで、素晴らしいESDの実践をされている学校だ。この本は、高校生のための入門シリーズでは、「国際理解」「アフリカ理解」「国際連合」に次ぐ4冊目ということになる。秋田商業高校と私の関わりについては、以下のブログを参照願いたい。11年1月29日付、同3月19日・20日・21日付、同6月30日付。
現在のところ、半分程度読んたのだが、昨日、京都で秋田料理を食べに行った関係で、我慢できなくなったので、この本の紹介をしようと思う。…なんのこっちゃ。
まず秋田商業高校の環境問題に関する実践が報告されていた。学校全体としては、秋田県内の食材を使用した商品を企画、開発、販売する活動が、生徒会の主導で「グルメグランプリ」として行われている。2年目からは他校も参加して、AKISHOPという商業高校らしい教育実践の中で実際に行われている。要するに、『地産地消』を推進しているわけだ。身近な環境問題として、素晴らしい取り組みだと私は思う。「地産地消」は、輸送に必要なガソリンを減らす(フードマイレージ)大きな取り組みの一つだ。環境問題では、”自分たちに出来ること”をよく強調するが、大阪の高校生には想像も出来ない取り組みだ。素晴らしい。
ユネスコスクール班の取り組みも面白い。いろいろな取り組みをしているのだが、身近なことから大きく拡がったのが”黒板で使われ捨てられるチョーク”プロジェクト。グループ名は「結」(ゆい)。
プロジェクトその1:もう使えない小さくなったチョークを集め、粉末にして乾燥させ再生させようというのだ。面白いのは、白のチョークだけでなく黄色や赤色のチョークもあるので、再生されたものは『肌色のチョーク』になること。書き心地は問題ないらしい。水の配分が難しいらしい。…なるほど。O先生の感想では、緑の黒板に肌色の字。なかなか新鮮だったとか。(笑)
その2:チョークの粉末をグリーン・カーテンの肥料としてつる植物を植えたという。秋田市環境部から秋田県地球温暖化防止活動推進センターを通してヘチマやアサガオの苗を譲りうけたという。夏休みも毎日水をやったのだが、若干栽培時期や日当たりに問題があって、期待どうりには成長しなかったらしい。(私は秋田商業高校の地元の行政やJICA,NGOなどとの連携のうまさにいつも感心してしまう。)
その3:国外との「結」の実践として、秋田のNGO・RASICAのスタディーツアーに参加。例の肌色チョークも持参していったが、ネパールの学校の教室はホワイトボードで、リサイクル法を伝授しようと張り切っていたのに残念という結果だったらしい。O先生のコメントが素晴らしい。『開発途上国に対する自分たちの「思いこみ」に気づかされる結果になりました。』
さらにRASICAと連携して大震災の被災地(宮城県石巻市)へ15回のべ44人の生徒がボランティアとして活動。生徒の「行きたい」という強い熱意が実ったのだという。この体験を前述のAKISHOPで市民の前で報告も行っている。凄いなあ。環境問題というロジックの学習ではなく、様々な試行錯誤を行いながら、実際のアクションに移っているところが凄い。とても全て紹介できないが、今回はここまで。次回は「環境の達人講座」の紹介をゆっくりしたいと思うのだ。
2012年4月22日日曜日
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