2010年5月11日火曜日
追想ピーター・オルワ氏のことⅣ
昨日の朝、学校へ行こうと家を出たら、携帯がブルブルと震えだした。高速道路ができて、相変わらず携帯の受信状況がすこぶる悪い(2月11日付ブログ参照)のである。ピーター会(JICAの教員研修旅行でケニアに行った仲間の会)の”福山雅治”といわれた和歌山のI先生からであった。その日は急いでいたので今朝モーニングをしながら読んでみると…。なんと、ピーターオルワ氏(2月16日・17日・3月22日付ブログ参照)のことが乗っている文庫本の情報だった。『世界一周恐怖航海記』(文春文庫)という、”ピースボート”に乗った直木賞作家の本だった。今年の4月10日初版なので比較的新しい文庫であった。
昨日『聖☆おにいさん』を間違って買ったばかりだが、またまた京橋の紀伊国屋に寄って購入した。京橋から最寄り駅まで、ちょうどピーター氏の話が出てくるところまで読んだ。”水戸黄門のモノマネをやって日本人をわらわせているケニア人”として登場する。(49P)さらに、”著者の講演を聞いて握手を求めてきたピーターさん(ケニア人)”として再登場する。(61P)なるほどページ数まできっちりとI先生のメールどおりである。
I先生も、『至る所で我々日本人に安らぎと優しさと笑いを与えてくれていた』のだなあと追想されているのだが、私も愛嬌を振りまくピーター氏の在りし日を思い出し、私も全く同じ感想を持つ次第である。著者の奥様にスワヒリ語教室で教えたのもピーター氏だったろうし、ケニアに上陸した後、著者がゲーム・ドライブした際、好感をもったケニア人運転手もピーター氏の会社のメンバーだったのではないかと推測される。本当に惜しい人を失くしたものである。
まだこの本の途中までしか読んでいないが、帯に「人を呪い、世を厭う作家を感動させた旅」とある。たしかにこの著者:車谷長吉は、ヘンコなおっさんである。だが、彼の人嫌い、なんとなく判る気もするのが自分でも可笑しい。人間は、楽天家を装いながらも厭世家であったりする。ピーター氏は、愛嬌を振りまきながら、ピース・ボートの日本人を結局のところどう見ていたのだろうか。「アフリカ人が日本に学ぶこといっぱいありますね。でも日本人もアフリカに学ぶことがたくさんありますよ。」という彼の言葉の底に、さらに深い真意があったのかもしれない。
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